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【RIZIN26】朝倉海vs堀口恭司の勝敗予想!これまでのストーリーも徹底解説

2020年大みそかに行われるRIZIN26のメインイベントで、RIZINバンタム級タイトルマッチ「堀口恭司vs朝倉海」が決定しました。今回は、このファン待望の一戦について、それぞれの選手の紹介、これまでのストーリー解説、個人的な勝敗予想という流れでお話ししていきたいと思います。

それぞれの選手紹介

堀口恭司の紹介

まず、堀口恭司のプロフィールについて紹介します。堀口恭司は、1990年10月12日生まれ、30歳の総合格闘家です。体格は165cm、61㎏で、主にバンタム級を主戦場としています。

これまでの戦績は31戦28勝3敗。元RIZINとベラトールのバンタム級世界王者です。

現在の所属ジムはアメリカ合衆国のフロリダにあるアメリカントップチーム、通称ATT。ファイトスタイルのバックボーンには伝統派空手を持ち、スタンドで強さを発揮する選手ですが、グラウンドやサブミッションも苦手というわけではなく、全局面で戦えるオールラウンドファイターです。

これまでの経歴としては、国内修斗で活躍したのち、アメリカのUFCに移籍、タイトル獲得にはいたらないまでも日本人最高の成績を残しました。その後、日本の格闘技を盛り上げるために日本へ帰国し、現在はRIZINを主戦場としています。

朝倉海の紹介

続いて、朝倉海のプロフィールについて紹介します。朝倉海は1993年10月31日生まれ、27歳の総合格闘家で、1つ上の兄としてYouTubeで有名な朝倉未来がいます。

体格は172cm、61㎏で、主にバンタム級を主戦場としています。

これまでの戦績は18戦16勝2敗。現RIZINバンタム級世界王者です。現在の所属ジムはトライフォース赤坂。ファイトスタイルのバックボーンには、一応空手と相撲があるみたいです。とにかく打撃に優れた選手で、堀口恭司、佐々木憂流迦、扇久保博正などの強豪選手をスタンドのパンチやサッカーボールキックでKOしています。

これまでの経歴としては、アウトサイダーやロードFCで活躍後、RIZINに出場するようになり、徐々に頭角を表していくと、ついこの間、扇久保とのタイトルマッチを制してRIZINバンタム級王者となりました、

これまでのストーリー解説「堀口恭司vs朝倉海の物語」

それぞれの選手について簡単に紹介させていただいたところで、次は今回の対戦に至るまでのストーリー、つまり、堀口恭司と朝倉海の物語についてお話していきたいと思います。

2019年8月RIZIN18 堀口恭司が朝倉海にまさかの敗北

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2019年8月に行われたRIZIN18で、堀口恭司が朝倉海にまさかの1RKOで敗北したことが、2人の物語の始まりでした。

それまで堀口恭司は国内のMMAバンタム級において圧倒的な存在であり、対日本人成績は無敗。帰国以前のUFCでは7勝1敗という好成績を残し、その1敗も、当時のUFCにおいてパウンドフォーパウンドの1人といわれていたデメトリアスジョンソンとのタイトルマッチで、試合終了1秒前にサブミッションで敗北してしまっただけであり、そのサブミッションが決まっていなければ勝負の行方は分からなかったと言われています。

世界最高峰の格闘技団体であるUFCで最もタイトル獲得に近づいた日本人総合格闘家、それが堀口恭司でした。

日本に帰国後もその強さは健在で、早々にRIZINバンタム級グランプリを制覇し初代王者のベルトを獲得すると、MMAの格闘技団体においてUFCに次いで世界第2位の規模を持つベラトールのバンタム級王者のベルトも獲得。名実ともに、バンタム級世界最強クラスの実力者でした。格闘技ファンの間で、いずれはUFCのベルトも獲得するのではないか?と噂されいたたほどです。

そんな中で組まれたのが、朝倉海とのワンマッチです。

当時の朝倉海は、アウトサイダー出身の格闘家として頭角を現してきていて、兄である朝倉未来がYouTubeで成功しはじめたこともあり、国内での知名度がそこそこにまで高まってきているところでした。

しかし、世界的に見ればまだまだ無名の選手で、堀口恭司との対戦が決まったとき、多くの格闘技ファンが「まあ堀口が勝つだろうな」と思っていました。堀口恭司自身もレベルの差はあると認識していたようで、伸びてきている若手に胸を貸す、くらいの感覚だったようです。

そんな前評判の中、開催されたRIZIN18で、まさかの堀口恭司が1RKO負け。世界的には無名の朝倉海が、2団体王者で世界最強クラスのファイターである堀口恭司を1RKOで下す。これは、日本の格闘技史でも類を見ないほどのジャイアントキリングでした。

ちなみに、堀口が打撃でKOされるのはこれが初めてです。

2019年10月RIZIN19 朝倉海が佐々木憂流迦の顎を粉砕、バンタム級タイトルマッチ成立

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堀口恭司に勝利した朝倉海は、勢いそのままに2か月後のRIZIN19にも出場しました。そこで、元UFCファイターでバンタム級四天王の一角を担う佐々木憂流迦と対戦。

佐々木憂流迦は、寝技天狗の異名を持つグラウンドテクニックとサブミッションセンスに優れたファイターで、マネルケイプにも勝利経験のある強豪選手です。

スタンドでの強さは証明済みの朝倉海ですが、寝技師である佐々木憂流迦とはちょっと相性が悪いのではないか?と言われていました。堀口恭司戦は出合い頭の一発で試合が決まってしまったため、MMAファイターとしての本当の実力はまだ未知な部分が多く、完全には実力が認められていない状態でした。

そのため、佐々木憂流迦との試合がいわゆるひとつの物差しになる、格闘技ファンの間ではそのように話されていました。

しかし、実際に試合が行われてみると、またもや朝倉海の1RKO勝利。しかも、佐々木憂流迦は強力な打撃で顎を粉砕されてしまい、完全に治るまで1年近くの歳月を必要とする大怪我を負ってしまいました。佐々木憂流迦は試合後に、「今までで一番強力なパンチだった」と語っています。

堀口恭司に勝利したことはまぐれではなかったことを証明した朝倉海。佐々木憂流迦に1RKOで勝利後、リング上からリングサイドで試合を見ていた堀口恭司に、「大みそか、ベルトかけて戦いましょうよ」と対戦要求をしました。堀口恭司はこれを快諾。

もともと堀口恭司は朝倉海に敗北後、「悔しいのですぐにでもベルトを賭けてリマッチがしたい」と語っており、朝倉海もベルトを賭けて堀口恭司と戦いたいと言っていたので、2人の願いが実を結んだこととなります。

榊原CEOもその場でこれを認め、大みそかにRIZINバンタム級タイトルマッチ堀口恭司vs朝倉海が成立しました。

2019年11月 堀口恭司が全治10か月以上の大怪我

堀口恭司と朝倉海の再戦が決定後、格闘技ファンは堀口派と朝倉派で派閥が分かれ、大いに議論が交わされることになりました。

地力ではまだまだ堀口のほうが強い、前回は対策が不十分だったなど、堀口が勝利する予想するファンもいれば、佐々木憂流迦を倒した朝倉海の実力は本物だ、朝倉海のスタイルは堀口と相性がいいから今回も勝つなど、朝倉海がまた勝利すると予想するファンもいて、前回とは違い、勝敗予想の意見は5:5くらいの割合で割れていました。

しかし、それだけ楽しみにされていたこの対戦ですが、11月上旬に堀口恭司が大怪我を負ってしまい、まさかの中止となってしまいました。

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怪我を負ったのは練習中らしく、怪我の内容は右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷。膝を酷使するスポーツのアスリートに多い怪我で、全治は約10か月とかなりの大怪我です。この負傷を受けて堀口恭司は、11月28日にRIZINとベラトールのバンタム級王座を返上しました。

2019年12月RIZIN20 バンタム級王座をマネルケイプに奪われる

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堀口恭司の王座返上により、RIZINバンタム級の王座は空位となりました。そして、大晦日に行われる予定だったRIZINバンタム級タイトルマッチは、堀口恭司の代わりにマネルケイプが出場することになり、空位となったバンタム級の王座を賭けて朝倉海とマネルケイプが戦うことになりました。

マネルケイプはアンゴラ出身のファイターで、RIZINバンタム級トーナメントで山本アーセンとイアンマッコールを倒して決勝に進出したり、元UFCファイターの水垣偉弥にワンマッチで勝利したりと、実力のある選手です。

RIZIN10で一度朝倉海にスプリット判定で敗れていますが、実際、試合の内容としてはほぼ互角で、ファンの間でもどちらが勝っていたのかは議論が分かれていたほどの接戦でした。RIZINがストーリー作りのために朝倉海を勝たせたんだ、なんていう意見もあったくらいで、この一戦には若干の消化不良感がありました。

前回の雪辱を晴らしたいマネルケイプと白黒はっきり決着をつけたい朝倉海、戦績上では朝倉海が優位に思われますが、前回の試合内容を踏まえるとどちらが勝ってもおかしくない、まさにタイトルマッチにふさわしい試合です。

気になる結果は、マネルケイプの2RKO勝利。朝倉海は、念願のベルトを前にして惜しくも敗北してしまいました。

打撃力では互角か朝倉海のほうがやや優勢のように思われましたが、身体のしなやかさやタフネスなどの身体能力はマネルケイプのほうが強く、また前回のマネルケイプは野性の獣のような戦い方でしたが、今回は頭を使った老獪な立ち回りを魅せており、そのことも含めて今回は明らかにマネルケイプのほうが上手でした。

2020年3月 マネルケイプがUFCに移籍

朝倉海を下して見事RIZINバンタム級チャンピオンとなったマネルケイプですが、戴冠してわずか3か月後の2020年3月に、UFC移籍を発表します。

マネルケイプはより条件のよい場所で強い奴と闘いたいと常々言っていたため、格闘技ファンにとってマネルケイプがUFCに移籍することは何も不思議ではありませんでした。

しかし、これによりまたもやRIZINバンタム級の王座が空位となってしまいます。

2020年8月RIZIN23 バンタム級タイトルマッチ扇久保博正vs朝倉海

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マネルケイプのUFC移籍によって空位となったRIZINバンタム級王座をかけて、RIZIN23で扇久保博正と朝倉海が戦うことが決定しました。

扇久保博正は、朝倉海がマネルケイプに敗北したRIZIN20で、王座挑戦戦をかけた石渡伸太郎との対戦に勝利し、バンタム級王座への挑戦権を獲得していました。いずれは王座に挑戦する予定でしたが、マネルケイプがUFCに移籍したことにより機会を逸してしまったため、今回のタイトルマッチに出番が回ってきたという形になります。

当然ですが、扇久保博正の実力は国内でもトップクラスです。修斗世界フライ級チャンピオンとして2度の防衛に成功しているだけでなく、直近8年間で敗北はわずか2回のみで、しかもその2回とも相手は堀口恭司。堀口に次ぐ実力者と評されており、国内バンタム級においては間違いなく5本の指に入る実力者です。

格闘技ファンの間でも、総合的に力を発揮すれば扇久保が勝つ可能性は十分にあるといわれていました。

勝負論のあったこのカードですが、結果はなんと朝倉海の2RKO勝利。しかも、内容的にほぼ完勝に近い形で勝利を収めました。パンクラスのチャンピオンである扇久保博正を相手に、これだけ圧倒的に勝てるのは本当に驚愕でした。

2020年11月13日 年末のRIZIN26で朝倉海vs堀口恭司の対戦決定が発表

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そして、先日の2020年11月13日の記者会見。大晦日のRIZIN26で、朝倉海vs堀口恭司のRIZINバンタム級タイトルマッチが行われることが発表されました。

堀口恭司は、実に1年4か月ぶりの試合になります。しかも、復帰戦がタイトルマッチというなかなかシビアな展開になりました。

対する朝倉海は、8月のRIZIN24でベテラン昇侍を相手にまたもや1RKO勝利。絶好調です。

面白いのが、前回とは構図が逆転していること。前回は、堀口恭司が王者で朝倉海が挑戦者でしたが、今回は逆です。格闘技というものは本当に有為転変というか、今あるものが1年後もそうである保証はない、絶対がないことを改めて認識させられます。

RIZIN26 朝倉海vs堀口恭司|勝敗予想

それでは、朝倉海vs堀口恭司の再戦について、個人的な勝敗予想をお話していきたいと思います。

結論|朝倉海6:4堀口恭司

まず結論から言うと、私は6:4で朝倉海のほうが勝つ確率が高いのではないかと思っています。そう思う理由について、次の節から3つに分けてお話していきます。

①朝倉海が強くなりすぎた

1つ目の理由は、朝倉海が強くなりすぎたことです。

堀口恭司と1戦目を交えたときの朝倉海は、今ほど強い選手ではありませんでした。あの頃の朝倉海は、自身の打撃センスに頼っている部分が多かったような印象があります。

しかし、あれから1年が経過し、クレバーな試合運びを見せるようになりました。試合の組み立て方が上手になったことで、抜群の打撃センスがさらに活きるようになり、総合的に強くなったと思います。

その証拠と言える試合が、扇久保博正戦です。打投極に優れたコンプリートファイターである扇久保博正を相手に、自分の強みを最大限に活かす試合運びをすることで、何もさせずに完勝しました。

様々な局面が予想される総合格闘技において、自分の力を十分に発揮できるように試合を組み立てることは、簡単なことではありません。身体能力やセンスと同じくらい、試合を組み立てる力は大事な能力なのです。試合の組み立てが上手なだけで勝ててしまうことさえあります。

試合後のインタビューで敗因を聞かれたとき、「自分の力を出せなかった」という選手がいますが、自分の土俵で戦えるように試合を組み立てることも実力のひとつです。つまり、「自分の力を出せるような試合運びができなかったこと」が敗因なのであり、それは単純に実力が不足していただけに過ぎないのではないかと思います。

そういった意味で、朝倉海は本当に強くなりました。これだけの強さだと、全盛期の堀口恭司でさえそう簡単に勝てる相手ではないと思います。

②堀口恭司の怪我の影響

2つ目の理由は、堀口恭司の怪我の影響です。

右膝前十字靭帯断裂というのは、非常に大きな怪我です。サッカー選手やバスケットボールプレイヤーなど、膝に負担のかかりやすいアスリートによくある怪我であり、この怪我は手術により完治させることが可能ではあるのですが、10か月ほどの長期離脱を余儀なくされます。

それだけの長い期間を離脱してしまえば、膝は以前と同じように使えるようになったとしても、身体能力の衰えは避けられません。怪我前と同じ身体に戻すまで、相当な時間と労力が必要となるでしょう。

堀口恭司自身、最近のインタビューでは「怪我する前の状態には戻れていないが、それに合わせて練習をしているので問題ない」と語っており、それはつまり「怪我の影響はあるけど、あるものでやるしかないので、そういう意味で問題はありません」という意味なのだと思います。

格闘技に限らずスポーツであれば、完璧な状態で試合に臨めることなんて、そうそうありません。怪我を負っていたり、メンタル的に心配なところがあったりと、何かしらのハンディを抱えているものです。その中で100%の自分を発揮すること、やれることはそれしかないのです。

堀口恭司は、そういう意味で問題はありませんと言ったのかなと思います。こういった堀口恭司の発言から、怪我の影響でパフォーマンスが下がる部分は少なからずあって、私としてはそれが試合に影響してしまうのではないかなと思います。

③復帰戦が朝倉海はきつい

最後の理由は、1年4か月ぶりの復帰戦が朝倉海はきついのではないかと思ったことです。

一般的に長期離脱後の復帰戦は、格下の選手をあてがわれることがほとんど。復帰する側の選手は肩慣らしができ、格下の選手は格上とやることで成長が見込めるからです。

今回はいきなりタイトルマッチ、しかも相手は過去に敗北経験がある朝倉海という、堀口恭司にとってかなりシビアな展開です。

圧倒的チャンピオンだった堀口恭司だからこそ、このようなマッチメイクでも「ま、まあ堀口ならいけるかも…?」と思わせてくれますが、それでも「厳しすぎるでしょ…1戦を挟んだほうがいいのでは?」という意見は多数出るかと思います。

十分に堀口恭司の身体が仕上がった状態で朝倉海とやってほしい、というのは、格闘技ファンからすれば当然と言えば当然のこと。もしもこのまま堀口恭司が負けてしまったら、「復帰戦だったから」と主張する堀口ファンが必ず現れます。それだけ、復帰戦というのは難しいものなのです。

さらに、朝倉海はコンスタントに試合を重ねて、強さに磨きをかけてきました。8月の様子を見る限りでは、絶好調といえるでしょう。

絶好調の朝倉海と、1年4か月ぶりに試合をする堀口恭司、いくら強い堀口恭司でも不利な状況であることは間違いないような気がします。

それでも堀口恭司に期待してしまう自分がいる、でも……

これまでお話ししてきたように、今回の対戦は朝倉海のほうが勝つ確率が高いのではないかなと思っています。やはり、怪我による長期離脱というのは大きすぎるハンディなのかなと……。

しかし、個人的には堀口恭司に勝ってほしいと思っています。純粋に格闘家として好きなので、負けて欲しくないというのが本音です。

ただ、勝敗を予想してみると、今回はなかなか厳しいのかなと思ってしまいます。ATTには優れたコーチが沢山いるので、きっと今できる最高の仕上がりで試合に臨んでくれるとは思うのですが、せめて1戦挟んでくれたら、また違う予想になったのかもしれません。

【まとめ】大みそかはRIZIN26で朝倉海vs堀口恭司を観る

以上、2020年12月31日の大みそかに行われるRIZIN26メインイベント「RIZINバンタム級タイトルマッチ朝倉海vs堀口恭司」についてでした。

色々とお話ししましたが、何が起こるのか分からないのが格闘技であり、それが格闘技の魅力です。朝倉未来と斎藤裕のフェザー級タイトルマッチも、大方の予想を覆して斎藤裕が勝利しました。

勝敗予想なんて、本質的には無意味なのかもしれません。でも、こうやって「どっちが勝つんだ?」と予想して楽しむことも格闘技の醍醐味だと思うので、このように記事に書きました。大みそかまで、楽しみに待ちます。