【RIZIN26】朝倉海vs堀口恭司の勝敗予想!これまでのストーリーも徹底解説
2020年大みそかに行われるRIZIN26のメインイベントで、RIZINバンタム級タイトルマッチ「堀口恭司vs朝倉海」が決定しました。今回は、このファン待望の一戦について、それぞれの選手の紹介、これまでのストーリー解説、個人的な勝敗予想という流れでお話ししていきたいと思います。
それぞれの選手紹介
堀口恭司の紹介
まず、堀口恭司のプロフィールについて紹介します。堀口恭司は、1990年10月12日生まれ、30歳の総合格闘家です。体格は165cm、61㎏で、主にバンタム級を主戦場としています。
これまでの戦績は31戦28勝3敗。元RIZINとベラトールのバンタム級世界王者です。
現在の所属ジムはアメリカ合衆国のフロリダにあるアメリカントップチーム、通称ATT。ファイトスタイルのバックボーンには伝統派空手を持ち、スタンドで強さを発揮する選手ですが、グラウンドやサブミッションも苦手というわけではなく、全局面で戦えるオールラウンドファイターです。
これまでの経歴としては、国内修斗で活躍したのち、アメリカのUFCに移籍、タイトル獲得にはいたらないまでも日本人最高の成績を残しました。その後、日本の格闘技を盛り上げるために日本へ帰国し、現在はRIZINを主戦場としています。
朝倉海の紹介
続いて、朝倉海のプロフィールについて紹介します。朝倉海は1993年10月31日生まれ、27歳の総合格闘家で、1つ上の兄としてYouTubeで有名な朝倉未来がいます。
体格は172cm、61㎏で、主にバンタム級を主戦場としています。
これまでの戦績は18戦16勝2敗。現RIZINバンタム級世界王者です。現在の所属ジムはトライフォース赤坂。ファイトスタイルのバックボーンには、一応空手と相撲があるみたいです。とにかく打撃に優れた選手で、堀口恭司、佐々木憂流迦、扇久保博正などの強豪選手をスタンドのパンチやサッカーボールキックでKOしています。
これまでの経歴としては、アウトサイダーやロードFCで活躍後、RIZINに出場するようになり、徐々に頭角を表していくと、ついこの間、扇久保とのタイトルマッチを制してRIZINバンタム級王者となりました、
これまでのストーリー解説「堀口恭司vs朝倉海の物語」
それぞれの選手について簡単に紹介させていただいたところで、次は今回の対戦に至るまでのストーリー、つまり、堀口恭司と朝倉海の物語についてお話していきたいと思います。
2019年8月RIZIN18 堀口恭司が朝倉海にまさかの敗北
2019年8月に行われたRIZIN18で、堀口恭司が朝倉海にまさかの1RKOで敗北したことが、2人の物語の始まりでした。
それまで堀口恭司は国内のMMAバンタム級において圧倒的な存在であり、対日本人成績は無敗。帰国以前のUFCでは7勝1敗という好成績を残し、その1敗も、当時のUFCにおいてパウンドフォーパウンドの1人といわれていたデメトリアスジョンソンとのタイトルマッチで、試合終了1秒前にサブミッションで敗北してしまっただけであり、そのサブミッションが決まっていなければ勝負の行方は分からなかったと言われています。
世界最高峰の格闘技団体であるUFCで最もタイトル獲得に近づいた日本人総合格闘家、それが堀口恭司でした。
日本に帰国後もその強さは健在で、早々にRIZINバンタム級グランプリを制覇し初代王者のベルトを獲得すると、MMAの格闘技団体においてUFCに次いで世界第2位の規模を持つベラトールのバンタム級王者のベルトも獲得。名実ともに、バンタム級世界最強クラスの実力者でした。格闘技ファンの間で、いずれはUFCのベルトも獲得するのではないか?と噂されいたたほどです。
そんな中で組まれたのが、朝倉海とのワンマッチです。
当時の朝倉海は、アウトサイダー出身の格闘家として頭角を現してきていて、兄である朝倉未来がYouTubeで成功しはじめたこともあり、国内での知名度がそこそこにまで高まってきているところでした。
しかし、世界的に見ればまだまだ無名の選手で、堀口恭司との対戦が決まったとき、多くの格闘技ファンが「まあ堀口が勝つだろうな」と思っていました。堀口恭司自身もレベルの差はあると認識していたようで、伸びてきている若手に胸を貸す、くらいの感覚だったようです。
そんな前評判の中、開催されたRIZIN18で、まさかの堀口恭司が1RKO負け。世界的には無名の朝倉海が、2団体王者で世界最強クラスのファイターである堀口恭司を1RKOで下す。これは、日本の格闘技史でも類を見ないほどのジャイアントキリングでした。
ちなみに、堀口が打撃でKOされるのはこれが初めてです。
2019年10月RIZIN19 朝倉海が佐々木憂流迦の顎を粉砕、バンタム級タイトルマッチ成立
堀口恭司に勝利した朝倉海は、勢いそのままに2か月後のRIZIN19にも出場しました。そこで、元UFCファイターでバンタム級四天王の一角を担う佐々木憂流迦と対戦。
佐々木憂流迦は、寝技天狗の異名を持つグラウンドテクニックとサブミッションセンスに優れたファイターで、マネルケイプにも勝利経験のある強豪選手です。
スタンドでの強さは証明済みの朝倉海ですが、寝技師である佐々木憂流迦とはちょっと相性が悪いのではないか?と言われていました。堀口恭司戦は出合い頭の一発で試合が決まってしまったため、MMAファイターとしての本当の実力はまだ未知な部分が多く、完全には実力が認められていない状態でした。
そのため、佐々木憂流迦との試合がいわゆるひとつの物差しになる、格闘技ファンの間ではそのように話されていました。
しかし、実際に試合が行われてみると、またもや朝倉海の1RKO勝利。しかも、佐々木憂流迦は強力な打撃で顎を粉砕されてしまい、完全に治るまで1年近くの歳月を必要とする大怪我を負ってしまいました。佐々木憂流迦は試合後に、「今までで一番強力なパンチだった」と語っています。
堀口恭司に勝利したことはまぐれではなかったことを証明した朝倉海。佐々木憂流迦に1RKOで勝利後、リング上からリングサイドで試合を見ていた堀口恭司に、「大みそか、ベルトかけて戦いましょうよ」と対戦要求をしました。堀口恭司はこれを快諾。
もともと堀口恭司は朝倉海に敗北後、「悔しいのですぐにでもベルトを賭けてリマッチがしたい」と語っており、朝倉海もベルトを賭けて堀口恭司と戦いたいと言っていたので、2人の願いが実を結んだこととなります。
榊原CEOもその場でこれを認め、大みそかにRIZINバンタム級タイトルマッチ堀口恭司vs朝倉海が成立しました。
2019年11月 堀口恭司が全治10か月以上の大怪我
堀口恭司と朝倉海の再戦が決定後、格闘技ファンは堀口派と朝倉派で派閥が分かれ、大いに議論が交わされることになりました。
地力ではまだまだ堀口のほうが強い、前回は対策が不十分だったなど、堀口が勝利する予想するファンもいれば、佐々木憂流迦を倒した朝倉海の実力は本物だ、朝倉海のスタイルは堀口と相性がいいから今回も勝つなど、朝倉海がまた勝利すると予想するファンもいて、前回とは違い、勝敗予想の意見は5:5くらいの割合で割れていました。
しかし、それだけ楽しみにされていたこの対戦ですが、11月上旬に堀口恭司が大怪我を負ってしまい、まさかの中止となってしまいました。
怪我を負ったのは練習中らしく、怪我の内容は右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷。膝を酷使するスポーツのアスリートに多い怪我で、全治は約10か月とかなりの大怪我です。この負傷を受けて堀口恭司は、11月28日にRIZINとベラトールのバンタム級王座を返上しました。
2019年12月RIZIN20 バンタム級王座をマネルケイプに奪われる
堀口恭司の王座返上により、RIZINバンタム級の王座は空位となりました。そして、大晦日に行われる予定だったRIZINバンタム級タイトルマッチは、堀口恭司の代わりにマネルケイプが出場することになり、空位となったバンタム級の王座を賭けて朝倉海とマネルケイプが戦うことになりました。
マネルケイプはアンゴラ出身のファイターで、RIZINバンタム級トーナメントで山本アーセンとイアンマッコールを倒して決勝に進出したり、元UFCファイターの水垣偉弥にワンマッチで勝利したりと、実力のある選手です。
RIZIN10で一度朝倉海にスプリット判定で敗れていますが、実際、試合の内容としてはほぼ互角で、ファンの間でもどちらが勝っていたのかは議論が分かれていたほどの接戦でした。RIZINがストーリー作りのために朝倉海を勝たせたんだ、なんていう意見もあったくらいで、この一戦には若干の消化不良感がありました。
前回の雪辱を晴らしたいマネルケイプと白黒はっきり決着をつけたい朝倉海、戦績上では朝倉海が優位に思われますが、前回の試合内容を踏まえるとどちらが勝ってもおかしくない、まさにタイトルマッチにふさわしい試合です。
気になる結果は、マネルケイプの2RKO勝利。朝倉海は、念願のベルトを前にして惜しくも敗北してしまいました。
打撃力では互角か朝倉海のほうがやや優勢のように思われましたが、身体のしなやかさやタフネスなどの身体能力はマネルケイプのほうが強く、また前回のマネルケイプは野性の獣のような戦い方でしたが、今回は頭を使った老獪な立ち回りを魅せており、そのことも含めて今回は明らかにマネルケイプのほうが上手でした。
2020年3月 マネルケイプがUFCに移籍
朝倉海を下して見事RIZINバンタム級チャンピオンとなったマネルケイプですが、戴冠してわずか3か月後の2020年3月に、UFC移籍を発表します。
マネルケイプはより条件のよい場所で強い奴と闘いたいと常々言っていたため、格闘技ファンにとってマネルケイプがUFCに移籍することは何も不思議ではありませんでした。
しかし、これによりまたもやRIZINバンタム級の王座が空位となってしまいます。
2020年8月RIZIN23 バンタム級タイトルマッチ扇久保博正vs朝倉海
マネルケイプのUFC移籍によって空位となったRIZINバンタム級王座をかけて、RIZIN23で扇久保博正と朝倉海が戦うことが決定しました。
扇久保博正は、朝倉海がマネルケイプに敗北したRIZIN20で、王座挑戦戦をかけた石渡伸太郎との対戦に勝利し、バンタム級王座への挑戦権を獲得していました。いずれは王座に挑戦する予定でしたが、マネルケイプがUFCに移籍したことにより機会を逸してしまったため、今回のタイトルマッチに出番が回ってきたという形になります。
当然ですが、扇久保博正の実力は国内でもトップクラスです。修斗世界フライ級チャンピオンとして2度の防衛に成功しているだけでなく、直近8年間で敗北はわずか2回のみで、しかもその2回とも相手は堀口恭司。堀口に次ぐ実力者と評されており、国内バンタム級においては間違いなく5本の指に入る実力者です。
格闘技ファンの間でも、総合的に力を発揮すれば扇久保が勝つ可能性は十分にあるといわれていました。
勝負論のあったこのカードですが、結果はなんと朝倉海の2RKO勝利。しかも、内容的にほぼ完勝に近い形で勝利を収めました。パンクラスのチャンピオンである扇久保博正を相手に、これだけ圧倒的に勝てるのは本当に驚愕でした。
2020年11月13日 年末のRIZIN26で朝倉海vs堀口恭司の対戦決定が発表
そして、先日の2020年11月13日の記者会見。大晦日のRIZIN26で、朝倉海vs堀口恭司のRIZINバンタム級タイトルマッチが行われることが発表されました。
堀口恭司は、実に1年4か月ぶりの試合になります。しかも、復帰戦がタイトルマッチというなかなかシビアな展開になりました。
対する朝倉海は、8月のRIZIN24でベテラン昇侍を相手にまたもや1RKO勝利。絶好調です。
面白いのが、前回とは構図が逆転していること。前回は、堀口恭司が王者で朝倉海が挑戦者でしたが、今回は逆です。格闘技というものは本当に有為転変というか、今あるものが1年後もそうである保証はない、絶対がないことを改めて認識させられます。
RIZIN26 朝倉海vs堀口恭司|勝敗予想
それでは、朝倉海vs堀口恭司の再戦について、個人的な勝敗予想をお話していきたいと思います。
結論|朝倉海6:4堀口恭司
まず結論から言うと、私は6:4で朝倉海のほうが勝つ確率が高いのではないかと思っています。そう思う理由について、次の節から3つに分けてお話していきます。
①朝倉海が強くなりすぎた
1つ目の理由は、朝倉海が強くなりすぎたことです。
堀口恭司と1戦目を交えたときの朝倉海は、今ほど強い選手ではありませんでした。あの頃の朝倉海は、自身の打撃センスに頼っている部分が多かったような印象があります。
しかし、あれから1年が経過し、クレバーな試合運びを見せるようになりました。試合の組み立て方が上手になったことで、抜群の打撃センスがさらに活きるようになり、総合的に強くなったと思います。
その証拠と言える試合が、扇久保博正戦です。打投極に優れたコンプリートファイターである扇久保博正を相手に、自分の強みを最大限に活かす試合運びをすることで、何もさせずに完勝しました。
様々な局面が予想される総合格闘技において、自分の力を十分に発揮できるように試合を組み立てることは、簡単なことではありません。身体能力やセンスと同じくらい、試合を組み立てる力は大事な能力なのです。試合の組み立てが上手なだけで勝ててしまうことさえあります。
試合後のインタビューで敗因を聞かれたとき、「自分の力を出せなかった」という選手がいますが、自分の土俵で戦えるように試合を組み立てることも実力のひとつです。つまり、「自分の力を出せるような試合運びができなかったこと」が敗因なのであり、それは単純に実力が不足していただけに過ぎないのではないかと思います。
そういった意味で、朝倉海は本当に強くなりました。これだけの強さだと、全盛期の堀口恭司でさえそう簡単に勝てる相手ではないと思います。
②堀口恭司の怪我の影響
2つ目の理由は、堀口恭司の怪我の影響です。
右膝前十字靭帯断裂というのは、非常に大きな怪我です。サッカー選手やバスケットボールプレイヤーなど、膝に負担のかかりやすいアスリートによくある怪我であり、この怪我は手術により完治させることが可能ではあるのですが、10か月ほどの長期離脱を余儀なくされます。
それだけの長い期間を離脱してしまえば、膝は以前と同じように使えるようになったとしても、身体能力の衰えは避けられません。怪我前と同じ身体に戻すまで、相当な時間と労力が必要となるでしょう。
堀口恭司自身、最近のインタビューでは「怪我する前の状態には戻れていないが、それに合わせて練習をしているので問題ない」と語っており、それはつまり「怪我の影響はあるけど、あるものでやるしかないので、そういう意味で問題はありません」という意味なのだと思います。
格闘技に限らずスポーツであれば、完璧な状態で試合に臨めることなんて、そうそうありません。怪我を負っていたり、メンタル的に心配なところがあったりと、何かしらのハンディを抱えているものです。その中で100%の自分を発揮すること、やれることはそれしかないのです。
堀口恭司は、そういう意味で問題はありませんと言ったのかなと思います。こういった堀口恭司の発言から、怪我の影響でパフォーマンスが下がる部分は少なからずあって、私としてはそれが試合に影響してしまうのではないかなと思います。
③復帰戦が朝倉海はきつい
最後の理由は、1年4か月ぶりの復帰戦が朝倉海はきついのではないかと思ったことです。
一般的に長期離脱後の復帰戦は、格下の選手をあてがわれることがほとんど。復帰する側の選手は肩慣らしができ、格下の選手は格上とやることで成長が見込めるからです。
今回はいきなりタイトルマッチ、しかも相手は過去に敗北経験がある朝倉海という、堀口恭司にとってかなりシビアな展開です。
圧倒的チャンピオンだった堀口恭司だからこそ、このようなマッチメイクでも「ま、まあ堀口ならいけるかも…?」と思わせてくれますが、それでも「厳しすぎるでしょ…1戦を挟んだほうがいいのでは?」という意見は多数出るかと思います。
十分に堀口恭司の身体が仕上がった状態で朝倉海とやってほしい、というのは、格闘技ファンからすれば当然と言えば当然のこと。もしもこのまま堀口恭司が負けてしまったら、「復帰戦だったから」と主張する堀口ファンが必ず現れます。それだけ、復帰戦というのは難しいものなのです。
さらに、朝倉海はコンスタントに試合を重ねて、強さに磨きをかけてきました。8月の様子を見る限りでは、絶好調といえるでしょう。
絶好調の朝倉海と、1年4か月ぶりに試合をする堀口恭司、いくら強い堀口恭司でも不利な状況であることは間違いないような気がします。
それでも堀口恭司に期待してしまう自分がいる、でも……
これまでお話ししてきたように、今回の対戦は朝倉海のほうが勝つ確率が高いのではないかなと思っています。やはり、怪我による長期離脱というのは大きすぎるハンディなのかなと……。
しかし、個人的には堀口恭司に勝ってほしいと思っています。純粋に格闘家として好きなので、負けて欲しくないというのが本音です。
ただ、勝敗を予想してみると、今回はなかなか厳しいのかなと思ってしまいます。ATTには優れたコーチが沢山いるので、きっと今できる最高の仕上がりで試合に臨んでくれるとは思うのですが、せめて1戦挟んでくれたら、また違う予想になったのかもしれません。
【まとめ】大みそかはRIZIN26で朝倉海vs堀口恭司を観る
以上、2020年12月31日の大みそかに行われるRIZIN26メインイベント「RIZINバンタム級タイトルマッチ朝倉海vs堀口恭司」についてでした。
色々とお話ししましたが、何が起こるのか分からないのが格闘技であり、それが格闘技の魅力です。朝倉未来と斎藤裕のフェザー級タイトルマッチも、大方の予想を覆して斎藤裕が勝利しました。
勝敗予想なんて、本質的には無意味なのかもしれません。でも、こうやって「どっちが勝つんだ?」と予想して楽しむことも格闘技の醍醐味だと思うので、このように記事に書きました。大みそかまで、楽しみに待ちます。
【RIZIN25】朝倉未来vs斎藤裕の感想|判定結果や今後のフェザー級について
RIZINフェザー級タイトルマッチ「朝倉未来vs斎藤裕」
△煽り動画
先日、2020年11月21日に行われたRIZIN25大阪大会にて、初代フェザー級タイトルマッチ「朝倉未来vs斎藤裕」の対戦が行われました。
RIZINフェザー級(66.0㎏以下)の王者を決めるこの対決。朝倉未来の知名度の高さが大いに影響して、かなり注目をされた対戦でした。その証拠として、対戦前からどちらが勝つのか?といった勝敗予想の動画がYouTube上に沢山あげられていたほど。
今回の記事では、この対戦について、試合の結果や感想、今後のフェザー級の展望などについてお話ししていきたいと思います。
下馬評では朝倉未来が有利だったが
下馬評では、「朝倉未来が勝利するだろう」という意見が多く、オッズ的には「7:3」くらいの割合でした。しかし、勝敗予想の動画は数多く上がっていたものの、そのほとんどが朝倉未来の強さにフォーカスしたもので、斎藤裕の強さについて正しく深堀できている動画少ない印象がありました。
斎藤裕は、第10代修斗世界フェザー級王者であり、国内のMMAにおいてトップクラスの実力者ですが、ネット上における情報が少なく、YouTubeで確認できる直近の試合はRIZIN23での摩嶋一整戦のみ。海外の強豪選手と対戦している履歴が動画として残っていなかったので、本当に強いのかどうかが判断しづらく、修斗ファンは重々その強さを理解していると思いますが、私も含めライトファンが多いRIZIN観戦者にとっては、未知の選手でした。
反対に朝倉未来は、ジョン・マカパやグスタボなど、海外での活躍経験がある選手を倒しています。そのため、朝倉未来の勝利に意見が偏るのは必然だったのかなと思います。
結果は斎藤裕の勝利。朝倉未来、まさかの敗北
先ほどお話しした通り、下馬評では情報の少なさ故か斎藤裕が不利という意見が大多数を占めていました。しかし結果は、3-0で斎藤裕の判定勝利。朝倉未来は、2017年の10月18日以来(ROAD FC 043 イ・ギルウ戦)、およそ3年ぶりの敗北。RIZIN参戦後、7連勝と勢いに乗っていた朝倉未来を、老舗MMA団体の王者である斎藤裕が下すという結果になりました。
試合の感想|朝倉未来vs斎藤裕の感想
それでは、実際の試合について感想を述べていきます。
斎藤裕のアグレッシブさとテイクダウンが試合の明暗を分けた?
まず、試合の内容についてですが、構図としては、カウンターを狙いスタンドで戦おうとする朝倉未来と、打撃を主軸に据えながらも要所でテイクダウンを狙う斎藤裕、という形で試合は進んでいました。一方的な展開はほとんどなく、ほぼ互角に近い感じです。斎藤が前に出てパンチを振り回し、朝倉未来がそれに対応してカウンターを振る、このパターンが何度か見られました。
内容はほぼ互角だったので、斎藤裕のパンチが思いっきりクリーンヒットする場面も、朝倉未来のカウンターがバチーン!と決まる場面も、そのどちらもなく、片方が当てて、もう片方が当て返して、という感じです。ポイントとしては、パンチのヒット数でやや斎藤裕、相手に与えたダメージの大きさで朝倉未来、くらいの差分は合ったかと思います。
その中で勝負の明暗を分けたのは、アグレッシブさとテイクダウンでした。
ここで、RIZINの判定基準を見てみましょう。
MMA RULES(総合格闘技ルール)
- 相手に与えたダメージ
- アグレッシブネス
- ジェネラルシップ
(優先度順)
RIZINでは、アグレッシブネスという項目を設けており、
試合のペース、場所、ポジションなどの支配についてどちらが優れていたかを評価する。ただし、スタンドポジション及びグラウンドポジションに占めた時間割合を考慮して評価を行う。
としています。斎藤裕は全ラウンドを通して前に出続け、朝倉未来のカウンターを食らっても、一瞬だけ膝が落ちるもののすぐに立て直して反撃をしていました。そのため「前に出続ける」という点でアグレッシブネスの評価を受けることができました。また、カウンターを食らってすぐに反撃に出ていたことも「相手に与えたダメージ」という項目において有利な行動です。
さらに、積極的にテイクダウンを狙い続け、打撃だけでなく総合的に力を発揮していたことも、アグレッシブネスのポイントを高めた要因のひとつだと思われます。テイクダウンを決めることは、それだけ試合を支配していることの証明になります。もちろん、テイクダウンを決めた後、グラウンドで優位に進めればなおのこと良いのですが、テイクダウンを決めるだけでも、総合的に相手を圧倒していることのアピールになるのです。
反対に、朝倉未来はカウンターを狙うスタイルなので、自ら前に出ることは少なく、アグレッシブネスにおいて印象があまりよくありませんでした。また、3R終盤でテイクダウンを狙いにいきましたがギリギリのところで防がれてしまったので、その点も「テイクダウンの力は斎藤裕のほうが上」という印象を作り出してしまった要因かもしれません。
アグレッシブさとテイクダウンといった2つの要素が、アグレッシブネスという項目において優位に働き、3-0で斎藤裕の勝利という結果を生んだのだと思われます。
相手に与えたダメージでは朝倉未来なんじゃないの?
今回の判定結果に対して、「今回の判定はおかしい。朝倉未来が勝っていた。試合後、斎藤裕はあんなに顔を腫らしている。相当なダメージを受けた証拠。反対に朝倉未来は涼しい顔でインタビューを受けていて、ほとんどダメージはない」という意見を述べる人がいます。
これは、確かにダメージの有無で比べればその通りだと思いました。被ダメージの総量で見れば、明らかに斎藤裕のほうが多いです。試合後にあげられたYouTubeでは、眼窩底骨折を疑われるほど目が晴れており、鼻は折れ曲がっていました。対する朝倉未来は、ちょっと晴れているくらいで痛々しさは全くなく、負けた後には思えません。
このように両者を比べてみると、斎藤裕が勝者のようには思えない人がいるのは必然のように思えます。
判定するのは試合中
しかし、これは試合後に分かったことです。判定をするのは試合中ですから、仮に実はひどいダメージを受けていたとしても、試合の中でダメージがあるように見せなければ問題ありません。
ジャッジにダメージがあることを悟られなければ、判定ルールの最優先基準である「相手に与えたダメージ」という項目で優位に立つことができるのです。
斎藤裕は、カウンターを食らった直後に反撃に出ています。実際にどれくらいダメージがあったのかは斎藤裕にしか分かりませんが、傍から見ればすぐ反撃しているのでダメージはないように思えますし、膝が落ちているのもフラッシュダウンに見えます。
このように、試合中、ダメージがないように見せれば、判定に悪い影響を与えることはないのです。
ダイレクトリマッチはやらないほうがいい
試合終了後のインタビューで、朝倉未来が「今すぐにでもやりたい。ダイレクトリマッチしたいですね」という趣旨の内容を話していました。これに関してSNSでは「やめたほうがいい」という声が上がっています。
私自身も、ダイレクトリマッチには反対なので、その理由について話していきたいと思います。
朝倉未来「相手が受けてくれないとね」
ダイレクトリマッチを反対する理由についてお話しする前に、朝倉未来は試合後に投稿されたYouTubeで「相手が受けてくれるならやりたい」と話していたことをお伝えしておきます。敗北した相手にリマッチをしたいのは、格闘技に限らず対戦型の競技であれば当然のこと。しかし、そう簡単にリマッチができるわけではありません。朝倉未来もそのことは理解しており、「相手が受けてくれるならやりたい」と述べていました。
朝倉未来への贔屓に見えてしまう
まず、ダイレクトリマッチが組まれた場合、RIZINが朝倉未来を贔屓しているように見えてしまいます。「そうまでして朝倉未来を王者にしてストーリーを作りたいのか……」とため息をこぼす格闘技ファンが大勢発生するでしょう。
確かに、朝倉未来はYouTubeで成功を収めており、彼のおかげでRIZINの認知度は飛躍的に向上しました。朝倉兄弟の存在が日本の格闘技界に良い影響を与えていることは間違いありません。
しかし、格闘技の本質は「どちらが強いのか?」の追求です。主催の団体が特定の選手に肩入れをしてしまうことでその純度は下がり、純度の下がった団体はファンからの支持を得られません。「強いから人気が出る」というのは格闘技を主軸においた視点の考え方なので問題ありませんが、「人気のある選手を強く見せる」というのは興業の色が強く、格闘技を手段のひとつにしてしまっているので、格闘技においてはNGです。
格闘技ファンを魅了するのであれば、人気の高さと強さをイコールにしてはいけないのです。
ベルトの価値が損なわれ、団体のレベルも下がる
一般的にタイトルマッチの権利というのは、①トーナメントで勝ち上がる、②強豪相手に勝ち星を積み上げる、のどちらかによって与えられます。また、そのほかに、③他団体の王者としてベルトを賭けて戦う、といったパターンもあります。
どのパターンを見ても分かるように、そう簡単に獲得できるものではなく、本当の強者だけが獲得できる特別な権利なのです。だからこそベルトの価値が高まるのであり、ベルト価値の高さによって団体のレベルが決まります。タイトルマッチの権利が簡単に獲得できるものになれば、ベルトの価値はそれだけ低くなり、団体としてのレベルも下がるでしょう。
RIZINフェザー級の底上げにはGP開催が最適
RIZINフェザー級を底上げするためには、朝倉未来に依存せず、GPトーナメントを行い「本当の強者」を決めることが必要だと思います。名乗りを上げる選手は沢山いるでしょうし、ファイターが多くなり層が厚くなれば、地力の底上げにつながるため、ベルトの価値もそれだけ高まります。団体としてのレベルも上がるでしょう。
国内フェザー級には、斎藤裕・朝倉未来以外にも魅力的な選手が沢山います。ざっと挙げられる代表的な選手だけでも
- ISAO(第5代・第8代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト)
- 摩嶋一整(第3代Rebel FCフェザー級チャンピオン)
- 萩原京平(朝倉未来の盟友、白川陸斗にKO勝利)
- 芦田崇宏(第7代DEEPフェザー級王者)
- 平本蓮(ゲーオにKO勝利したK-1ファイター)
- ヴガール・ケラモフ(トフィック・ムサエフと同門)
- クレベルコイケ(KSWで25勝、サブミッション勝率84%の柔術家)
これだけの選手がいるのです。コロナ禍の今、海外を拠点に活動している選手は呼べないかもしれませんが、国内の選手だけでもトーナメントは組めるでしょう。
斎藤裕は王者なのでGPトーナメントに参加する必要はないと思います。代わりに、防衛戦として他団体の強豪選手と戦って勝利し、RIZINフェザー級のベルト価値を底上げしてくれたら最高ですね。。。トーナメント優勝者と王者の斎藤裕が、ベルトをかけてタイトルマッチを行う。このような形であれば、フェザー級のベルトはより一層高まるのではないでしょうか。
今回のRIZIN25は、フェザー級の始まりを告げる大会だったと思います。今後のフェザー級がどのように盛り上がっていくのか。めちゃくちゃ楽しみです。次回のRIZINは大みそか。朝倉未来の弟である朝倉海が、王者として挑戦者堀口恭司を迎え撃ちます。そのほか、未発表のカードが沢山あるみたいなので、楽しみに待ちたいと思います。それではまた。
【K-1】1月24日K'FESTA4で武尊vsレオナぺタスが決定!どちらが強いのか?
どうもこんにちは。管理人です。先日、K-1の記者会見にて、2021年1月24日に「K'FESTA4」が開催されることが発表されました。
K'FESTAとは、K-1が年に一度だけ開催しているビッグイベントのこと。毎年1月~3月のどこかで催されており、いつも超豪華な対戦カードが組まれるため、この季節になると格闘技ファンの間ではK'FESTAの話題で持ちきりになります。
開催の歴史としてはまだ浅く、今回で4回目となるわけですが、対戦カードの第1弾として発表されたのが「スーパーフェザー級タイトルマッチ 武尊(王者) VS レオナ・ぺタス(挑戦者)」です。
これは過去のK'FESTAにおいてもかなりの好カードですね。今回の記事では、今カードについてお話していきたいと思います。
悲しみの福岡大会|武尊がまさかの欠場
まず、今カードが組まれるのは、実は2回目です。「スーパーフェザー級タイトルマッチ 武尊vsレオナぺタス」というカードは、2020年11月3日に行われた福岡大会で行われる予定でした。しかし、このカードは、武尊の怪我によって中止となってしまったのです。
武尊は、大会が開催される1~2か月ほどの前の練習中に、左拳を怪我してしまいました。中止の発表は約1か月前の10月9日に明かされ、楽しみにしていた格闘技ファンたちからは本当に驚き、そして悲しみました。もちろん、私のそのひとりです。武尊は骨折が発覚してからも何とか出場できるようにと試行錯誤を繰り返していたそうですが、拳の怪我はそう簡単には治りません。
このまま出場してもベストパフォーマンスを発揮できない、それは挑戦者であるレオナぺタスにも失礼だし、100%のパフォーマンスを楽しみにしてくれているファンの皆も落胆させてしまうことになる、そう考えた武尊は、止む無く欠場を決めたとのことです。
九州でK-1が開催されるのは今回が初めてであり、武尊は長崎出身のファイターなので、相当思い入れが強かったはずです。絶対に出場したかったと思います。
また、今回の挑戦者であるレオナぺタスは、様々な高いハードルを潜り抜けて武尊戦(スーパーフェザー級タイトルマッチ)までたどり着いた猛者です。格闘技ファンからは、「今回は久しぶりに勝負論のあるカードで楽しみ!」という声が上がっており、そんな中で欠場をすれば、確実に「逃げた」と批判されてしまいます。逃げているわけでは決してありませんが、武尊ほどの知名度を誇るファイターともなれば、根も葉もないことを言ってくるアンチが少なからず存在します。
一時的とはいえファンを悲しませてしまう、初の九州大会に出場ができない、アンチがここぞとばかりに批判をしてくる、このように欠場によるリスクは相当に大きいものです。もはや、怪我をしている状態で出場したほうが楽なんじゃないか?と思ってしまってもおかしくありません。それでも欠場を決めたのは、武尊自身の覚悟であり、ベストなパフォーマンスを発揮したいというプロ格闘家としての矜持なのでしょう。
ついに決まった武尊vsレオナぺタス!どちらが強いのか?
さて、上記のようなストーリーを経て、ついに2020年1月24日のK'FESTA4で対戦が実現することとなりました。この節では、武尊とレオナぺタス、それぞれの強さについて紐解いていきたいと思います。そして、それらを踏まえた上でどちらが強いのか?という議論に展開していきます。
武尊の強さ
武尊の強さは、なんといっても攻撃力です。
KO負けしたことがないタイ人をKOで倒したり、自分より上の階級からやってきた外国人ファイターを殴り倒したりと、とにかくオフェンスに優れています。軽量級においてこれだけの攻撃力をもつキックボクサーは、世界広しといえどそういません。武尊のオフェンスを支えているものは、主に2つあります。
精度の高いローキック
1つは、ローキックの精度の高さです。パンチの連打でKOすることが多いので、パンチの技術に目がいきがちですが、個人的な意見としてはローキックのほうが技術力としては評価されるのではないかと思っています。武尊のローキックは、めちゃくちゃ速くて高い確率でヒットします。象徴的だったのは、ヨーキッサダーチョンブリーとの試合です。
タイの超強豪選手であり、鬼のような威力のミドルキックをもつヨーキッサダーを相手に、武尊はローキックから崩していく戦法を取りました。パンチで入るとカウンターをもらうリスクが高く、かといって何もせず中距離の間合いでもたついているとミドルが飛んでくる。
そんな中でできる最善策は、ローキックで足元から崩していくこと、武尊はそう判断したのですね。
このときは、もうどんだけ蹴るんだってくらいローキックを蹴っていました。はじめのうちはヨーキッサダーも受け流していたのですが、あまりに蹴られる回数が多く被弾し過ぎたせいで、徐々に効いてきてしまいました。
嫌がるしぐさを見せるようになり、ヨーキッサダーの意識がローキックに向いていきます。そうなれば、パンチは当てやすくなるので、武尊はヨーキッサダーが見せた一瞬の隙を突いてパンチを叩き込み、見事にKOで勝利を収めました。
このように、ローキックを効かせられれば、パンチが活きてくるのです。武尊はその重要性を十分に理解しているからか、どんな相手・局面でもローキックを忘れません。
パンチを当てるためにローを蹴る、つまり、自分の武器を最大限に活用できるシチュエーションまで試合を作る、それができるからこそ、武尊の攻撃力というのは際立つのだと思います。
引かないタフネス
武尊のオフェンスを支えているもの2つ目は、引かないタフネスです。武尊のファイトスタイルは、ベタ足でガンガン圧力をかけ相手との距離をつぶしていくというシンプルなもの。
多少被弾しても引くことはせず、むしろ前へ出て自分の得意な距離に持ち込むことで優位性を保つという戦い方です。普通のファイターであれば、圧力をかけた分だけカウンターを食らう恐れがあるため、武尊ほど積極的に圧力をかけることはありません。
しかし、武尊はどんな相手でも圧力をかけ続けることで、自分の得意な距離を獲得します。
なぜそれほどまでに圧力をかけられるのか? それは、武尊が異常にタフな選手だからです。
武尊がダウンを奪われたシーンというのは、2015年のチャールズボンジョバーニ戦と、唯一の黒星である京谷祐希戦のみ。オフェンシブな選手でありながら、これだけダウンの数が少ないのは、武尊が異常にタフな選手であることの裏付けになるでしょう。
ローキックで足元から崩しつつ、無類のタフネスで距離を潰し、自分の得意なパンチの土俵に引きずり込む。これが、武尊のオフェンスパターンです。そして、この戦法で8年以上無敗という戦績を築き上げたのでした。
レオナぺタスの強さ
次は、レオナぺタスの強さについてみていきたいと思います。ずばり、レオナぺタスの強さは、リーチの長さと硬い拳です。
175cmの長いリーチ
レオナぺタスの身長は175cm、日本人の成人男性としてはやや高めくらいの身長ですが、170cm未満の選手が多いスーパーフェザーの階級においては、長身の部類といえます。現王者である武尊も身長は168cmと、レオナぺタスほど高くはありません。
レオナぺタスは、リーチの長さを活かして「相手の攻撃は当たらないけど、自分の攻撃は当たる」という距離を作ることで試合の主導権を握る選手です。また、長身な選手は頭の位置が遠いので、小柄な選手だとパンチが届かないということがよくあります。
村越優汰戦は、まさにレオナぺタスのリーチの長さが優位に働いた試合でした。レオナぺタスの攻撃は当たるけど、村越の攻撃はレオナぺタスの顔に届かない、という流れで試合が進み、結果、村越はKO負けという形でレオナぺタスに敗北しました。
レオナぺタスのリーチの長さというのは、スーパーフェザーの階級において大きなアドバンテージといえるでしょう。
打ち下ろしの右ストレート「石の拳」
次に、石の拳について解説していきます。レオナぺタスの異名としても挙げられている「石の拳」という言葉ですが、由来は強烈な右ストレートでKOを量産してきたことにあります。
高い位置から打ち下ろすように放たれるレオナぺタスの右ストレートは、普通の右ストレートに比べて体重が乗りやすく、動作はコンパクトに見えますが威力は相当なもの。その威力はレオナぺタスの過去の試合を振り返ると一目瞭然で、村越優汰や小宮山工介など、数々の強豪がこの石の拳にやられてきました。
リーチの長さを活かして遠間から攻撃を当て、相手が焦って距離を潰そうとしてきたら右ストレートで刺す、これがレオナぺタスの必勝スタイルです。
【勝敗予想】武尊とレオナぺタスはどちらが強いのか?
それではいよいよ、武尊とレオナぺタスはどちらが強いのか? 1月24日のスーパーフェザー級タイトルマッチはどちらが勝利するのか?という議論についてお話していきます。
お話しする前に注意書きとして心に留めていただければと思うのですが、この勝敗予想は管理人の私見なので、その点をご理解いただけますと幸いです。
結論|武尊8:2レオナぺタス
まず結論から申し上げると、私は8:2くらいの確率で武尊が勝利するのではないかと予想します。その根拠について、3つの理由をお話ししていきたいと思います。
①武尊の圧力がレオナぺタスのリーチを潰す
まず1つ目の理由は、武尊の圧力がリーチ差によるアドバンテージを打ち消すのではないか?という仮説です。
レオナぺタスの強みは、リーチの長さを活かしてアウトボクシング的に距離を制することにあります。この戦法は、相手がレオナぺタスよりも2回りほど小柄で、圧力がそれほど強くない場合には効果的です。
しかし、武尊のように体格がそれほど小柄でなく強烈な圧力を武器とするファイターの場合、リーチ差を武器にアウトボクシングで試合をコントロールすることができません。いずれ、武尊の圧力に捕まってしまい、有効打をもらってしまう可能性が高いのかなと思います。
②武尊にレオナぺタスの石の拳が効かない
2つ目の理由は、レオナぺタスの武器である打ち下ろしの右ストレート、通称「石の拳」が、武尊には効かないのではないかという推測です。理由は、武尊の異常なタフネスと、高いディフェンス能力にあります。
まず、先述した通り武尊は異常なほどタフネスな選手です。「絶対に倒れない、倒してやる」という強い意志が武尊のタフネスを支えており、その気持ちの強さは、格闘技ファンの多くが「武尊の一番の強さは気持ちの強さ」と評価するほど。試合数と比較して極端にダウンが少ないことも、武尊のタフネスの裏付けになるでしょう。
また、武尊はディフェンス能力も一級品です。躱す能力ではなく、被弾してもダメージを最小限に抑える能力に優れているタイプで、特にスリッピングアウェイという技術が上手です。
スリッピングアウェイとはボクシングの防御テクニックのひとつで、被弾するタイミングでパンチが伸びる方向と同じ方向に顔を逸らし、衝撃を受け流す技術を指します。傍から見ればパンチを食らっているのですが、スリッピングアウェイが決まっている場合、あまりダメージはありません。
武尊はこの技術をよく使用していて、2018年12月の皇治戦ではたくさん披露していました。
皇治戦では打ち合いになっているため、「武尊も結構喰らってるじゃん!」と思われがちですが、武尊はスリッピングアウェイでパンチを受け流しているので、あまり効いていません。そのため、試合後も涼しい顔をしていました。
このように、武尊には無類のタフネスと高いディフェンス能力があるため、レオナぺタスの石の拳もあまり効かないのではないかと思います。
③レオナぺタスは武尊の土俵に乗ってしまう気がする
最後の理由は、レオナぺタスが武尊の土俵である打ち合いにいってしまうのではないか?ということです。
会見やツイートを見ていれば分かる通り、レオナぺタスは愚直な男です。
はじめて、レオナぺタスが武尊に対戦を要求したとき、「K-1で実績を積み上げてから」と言われ、対戦を先延ばしにされてしまったことがあります。そのときはすでにKrushの王者として数多くの強豪を倒していたので、正直、実績としては十分な状態でした。
しかし、武尊としては国内のちょっと強いと言われているだけの選手とは、やっても盛り上がらないと思ったのでしょう。また、レオナぺタスはKrushを中心に活動していたため、ライト層には情報が届いておらず、地味な選手というイメージがついていたことも、武尊が対戦を遠ざけた理由のひとつかもしれません。
強いのに認めてもらえない、対戦を組んでもらえない、格闘家としてこんなにフラストレーションがたまることはありません。しかし、レオナぺタスは武尊の発言を真正面から受け止め、愚直に勝利を重ねました。
フェザー級グランプリ準優勝の小宮山工介を倒し、武尊と判定にまでもつれ込み勝利寸前まで善戦した村越優汰をKOで仕留め、武尊の盟友である大岩龍矢を見事に判定で下しました。
正直、村越優汰を倒した時点で実績は十分すぎます。
しかし、K-1はそれでも武尊とのマッチメイクを組みませんでした。普通なら「ふざけんな!」となるところですが、「まだ足りないですか? いいですよ、やりましょう」と受け止めるあたり、レオナぺタスの愚直さが伺えます。
このようにレオナぺタスはとてもいい人なので、武尊と打ち合いにいってしまうような気がするんですよね……。村越優汰のように自分のペースを渡さずアウトボクシングと石の拳をバランスよく織り交ぜれば、互角以上に渡り合える気がするのですが、近距離での接触に会場が盛り上がれば、レオナぺタスはそれに応えてしまうと思います。
打ち合いは武尊の専売特許ですから、その展開になればいくらレオナぺタスでも不利と言わざるを得ません。最悪の場合、KOされてしまう恐れもあると思います。
レオナぺタスが勝つ可能性も十分ある!
以上3つの理由から、今回のフェザー級タイトルマッチでは武尊が勝利する確率が高いのかなと思います。やはり武尊はめちゃくちゃ強いので、その牙城を崩すのは一筋縄ではいかないのかなと……。
しかし、レオナぺタスが勝利する可能性も十分にあると思っています。
まずレオナぺタスは、武尊がこれまで戦ってきた日本人選手の中で一番強い選手だと思います。戦績から見てもそれは明らかです。レオナぺタスの石の拳がクリーンヒットすれば、いくらタフな武尊でもダウンするでしょう。当たり方によっては、KOとなる可能性もあります。
また、武尊はレオナぺタスほど身長差のある相手と戦った経験がありません。自分と同じくらいかそれより小さい相手と戦ってきました。そのため、身長差のある相手に武尊がどう戦うのか?見えてこない部分があります。そこに、レオナぺタスががっつりとハマる可能性も高いです。
武尊にとって、史上最強かつ未知の体格を持つ相手、それがレオナぺタスです。レオナぺタスがあっさりと勝利してしまうことも十分あり得ます。
まとめ|武尊vsレオナぺタスを楽しみに年を越します
色々と書いてきましたが、いつも最後に書いているように、何が起こるのか分からないのが格闘技です。やってみなきゃ分からない、それが格闘技の魅力であり観戦の醍醐味ですよね。なので、来るべき1月24日のK'FESTA4を楽しみに年を越したいと思います。それではまた。
【25歳フリーター】正社員として就職した方法を1万文字で解説!
25歳のフリーターが正社員として就職した方法を1万文字以上でまとめました。就職にかかった期間や費用、就職活動の流れ、おすすめの転職サイトや転職エージェントなど、正社員になりたいフリーターの方にとって有益な情報が満載です。同じ境遇の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- なぜフリーターから正社員に就職しようと思ったのか
- フリーターから正社員に就職するまで
- フリーターの就職活動|実際の流れ
- フリーターの就職におすすめの転職サイトとエージェント
- フリーターでも正社員に就職できる
なぜフリーターから正社員に就職しようと思ったのか
就職活動の具体的な方法と体験談をお伝えする前に、その前提となる「私がフリーターから正社員に就職をしようと思った理由」からお伝えしていこうと思います。
来歴
私は、25歳までに4社を経験しています。その過程を、簡単にお伝えしていきましょう。
まず、大学を卒業後、新卒で入社した東証一部上場企業を1か月半で退職しました。理由は、上司と上手く関係を構築できなかったからです。
その後は契約社員として中小企業に転職。そこも、やりたいことができたという理由から1年ちょっとで退職しました。
次は、さらに小さな零細企業に正社員として転職をし、そこも半年で辞めています。
そこを辞めたあと、さすがに人生に絶望し、2か月くらいプラプラしました。このままではいかんと一念発起し、職業訓練校に入校します。3か月のコースを修了し、そのあとはWebメディアのアルバイトとして働き始めました。ここから、フリーターとしてのキャリアがスタートしています。
正社員にならないと叶えたいことが実現できないと思った
フリーターとして生きていくことに、苦労は感じていませんでした。フルタイムで働いていたのでそれなりに給料はもらっていましたし、周囲の人間も「一応フルタイムで働いているからいいんじゃない?」という感じで劣等感を抱くことも少なかったからです。
ただ、年齢が25歳を超え、26歳を間近に迎えたとき、このままだと叶えたいことが実現できないかもしれないと思いました。これが、正社員になろうと思ったきっかけです。
私の叶えたいことは、結婚や仕事における自己実現などでした。これは今もそうです。フリーターのままでは、それらを叶えることが難しいということに気づいたのです。
フリーターそのものに対してはフラットな価値観を持っているので、悪いことではないし個人の選択の結果だから、人がとやかく言うものではないと思っています。生活や自己実現などを叶えるための手段に過ぎないからです。
だから、「フリーターという手段では、望む未来を手に入れられそうにない」という考えのもと、正社員としての就職を目指し始めました。
正社員にならなきゃ日本では生きていけない!なんてことは思っていません。個人事業主とフリーターの区別もあいまいなこの日本で、一概に名刺づけることなんて不可能でしょう。そんな不可能であることに対して、無理くり名刺づけをしても、現実との矛盾に苦しむだけです。
長くなってしまいましたが、以上が私が正社員として就職しようと思った理由です。
フリーターから正社員に就職するまで
ここからは、フリーターから正社員として就職するために必要な情報を、私の実体験をもとに紹介していきます。同じようにフリーターから正社員への就職を目指している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
就職するまでにかかった期間
約4ヵ月間かかりました。「就職しよう!」と思い立った日から、内定をもらって働き始めるまでの期間です。内定をもらってから1か月は現職を続けていたので、就職活動そのものは3か月くらいだったと思います。
また、本腰を入れてやっていた期間はさらに短くなります。私の場合、2か月くらいでした。はじめのうちは、求人を見るだけだったり、やり方がつかめず右往左往したりしている時期なので、本格化するのはそれが終わってからです。
就職するまでにかかった費用
約3万円くらいでした。内訳は、下記のとおりです。
- 交通費・・・20,000円
- 書類準備・・・5,000円
- カフェでの作業代・・・5,000円
月に1万円くらいです。やはり交通費が最もかかりますが、私の場合、現職が都内にあり、その定期を利用していたので少なく収まっています。定期がなければ、交通費だけで倍近くの4万円はかかっていたでしょう。
就職するまでに応募した数
101社応募しました。その中で内定を獲得したのは、1社です。ちょうど100社落ちています。内定をもらえる確率は、1%以下。結果としては、非常に厳しいものとなりました。
自己応募とエージェント経由
応募にも種類があって、転職サイトからの自己応募と転職エージェントを介した応募の2つにわかれます。双方の性質が違うので、2つをわけて書類選考や一次面接の数を紹介していきます。
書類選考
これは、応募した数と同じなので101社です。内訳は下記の通り。
- 自己応募・・・63社
- 転職エージェント・・・39社
書類選考の段階における双方の違いは、志望動機をつけられるかどうかと、エージェントの推しがあるかどうかの2点。
自己応募の場合、利用する転職サイトによりますが志望動機をつけて書類選考を依頼できます。書類選考の段階で企業に情熱を伝えられるので、このケースは書類選考の通過率が高いです。
エージェント経由の場合、志望動機はつけられませんがエージェントの推しが入ります。エージェントは求職者の情報を細かく所持しているので、「この方はこういうところが御社に合っていると思いますよ。お会いしてみてはいかがですか」といったように、マッチングさせることができるんです。
両方にメリットがあるので、一概にどちらがよいということはいえません。使いながら決めていくのがいいでしょう。また、おすすめの転職サイトやエージェントについては後ほど紹介するので、しばらくお待ちください。
一次面接
一次面接にたどり着いた数は、16社です。101社に応募しているので、書類選考の通過率は約16%。85社は書類選考で落ちています。
- 自己応募・・・14社
- 転職エージェント・・・2社
私の場合、自己応募のほうが書類選考の通過率が高かったです。63社中14社が会ってくれたので、通過率は22%。特に、自己応募をつけられる転職サイトは通過率が高く、28社中7社が面接をしてくれました。通過率は25%なので、4社に1社は一次面接にたどり着ける計算になります。
反対に、エージェント経由はかなり難航しました。39社応募して2社しか一次面接にたどり着いていません。通過率は、わずか5%。20社応募してやっと1社が面接をしてくれる感じです。
これは、私の職務経歴書が汚いことが原因です。エージェントから不採用の理由を教えてもらうと、「定着性不安のため」というものが大半でした。この不安を払しょくするためには、熱意を伝えるしかありません。しかし、エージェント経由で熱意を伝えることはできないので、志望動機つきの書類選考を活用することでカバーしました。
私のように、自分の書類にウィークポイントがある場合、そのウィークポイントをカバーできるような応募方法を選ぶのが書類選考の通過率を上げるポイントです。
二次面接
二次面接にたどり着いたのは、3社でした。101社中3社なので、確率は3%以下です。
- 自己応募・・・3社
- 転職エージェント・・・0社
中途入社の採用フローは、ほとんどが二次面接で終了なので、これは最終面接の数と言い換えることもできます。私の場合、転職エージェントでは1社もたどり着くことができず、自己応募で3社にたどり着きました。
内定をもらった数
内定をもらった数は、1社です。この会社は、一次面接だけで内定が決定したので、二次面接をしていません。自己応募でした。
- 自己応募・・・1社
- 転職エージェント・・・0社
本当に入りたいと思えるところから内定をいただけたので、内定通知をいただいたあとは就職活動をしていません。
私の場合における「フリーターから正社員に就職するまでの応募数」については、これで以上です。
フリーターの就職活動|実際の流れ
ここからは、フリーターが正社員に就職するまでの、実際の流れを説明します。私の実体験に基づいているので、多少の偏りはあるかもしれませんが、おそらくだいたいの流れはどんな人でも同じです。ぜひ参考にしてみてください。
就職活動に必要なものを揃える
まずは、就職活動に必要なものを揃えます。下記のものを準備しましょう。
- スーツ1着
- ネクタイとタイピン
- ワイシャツ
- 革靴
- ベルト(革靴と同じ色)
- ビジネスバッグ
- ビジネスソックス(黒)
- パソコン
スーツとワイシャツとネクタイ
スーツは1着あれば十分です。色は、黒よりもネイビーやグレーのほうがさわやかに見えるのでおすすめ。私はグレーの薄いストライプを着ていました。ワイシャツも1着で十分ですが、心配な方は2着持っておくといいでしょう。ネクタイはストライプや無地など、主張の強くない柄にしてください。
タイピン
タイピンは不要だと思う方も多いですが、身なりが整って見えるので購入をおすすめします。実際、私は面接でそのように言われ、エージェントからも「身なりが整っていて好印象でしたよ」と教えてもらった経験があります。タイピンの効果がどれほどあるのかはわかりませんが、個人的には合ったほうが採用の確率は上げられると思っています。
革靴とベルト
革靴とベルトも、ひとつずつあれば十分です。この2つは、必ず色を揃えるようにしてください。両方とも黒にしておくのが無難です。
ビジネスバッグ
安いものでかまわないので、必ず購入してください。ビジネスファッションは、基本的に減点方式です。リュックは高確率で減点されてしまうので、避けましょう。変なところで冒険をせず、もっと重要なところに脳のリソースを割いていくためです。
ビジネスソックス
黒の長い無地のソックスならOKです。ユニクロで4足990円で購入できます。革靴にくるぶしソックスは絶対に避けてください。面接に限らず、ビジネスシーンでスーツを着る場合、くるぶしソックスは基本的にマナー違反です。
パソコン
転職サイトへの登録や書類の作成、企業とのメールのやり取りに使用します。おそらく、必要なものの中で一番高いです。最近は安くて高性能なパソコンも多いですが、それでも5万円以上はします。痛い出費ですが、割り切って購入しましょう。
アルバイト先のシフト調整
次は、アルバイト先に就職活動を始める旨を伝え、シフトを調整します。これは意外と重要なことなので、よく考えて調整しましょう。
面接日の設定は、3~7日後くらいであることが多いので、シフトと重なってしまう可能性があります。急に休まなくてはいけなくなることも多くなるので、アルバイト先の理解は非常に大切です。
就職活動を始めることをちゃんと伝え、味方になってもらいましょう。シフトの調整がやりやすくなり、就職活動が格段にスムーズに進められます。
転職サイトや転職エージェントに登録する
必要なものを揃え、アルバイト先の理解を得られたら、転職サイトやエージェントに登録します。ここは内容にボリュームがあるので、後ほど詳しく説明しますね。
職務経歴書を書く
転職サイトやエージェントに登録を終えたら、いよいよ職務経歴書を書いていきます。職務経歴書のフォーマットはさまざまありますが、転職サイトが出してくれているものを使えば基本的に間違いありません。
業務内容の書き方
これまでの業務を言語化します。これは、正社員であってもアルバイトであっても同じです。正社員だろうがアルバイトだろうが、働いていることに変わりはなく、そこでどんな経験をしてきたのかを企業は知りたがっています。それさえ伝えられればOKです。
コンビニであれば、接客・品出し・発注などの業務がありますよね。それらについて、何をどれくらいやってきたのか、わかりやすく簡潔に記載しましょう。成果や身についたことまで伝えられればベストです。
私の場合、やってきたことに対する成果まで書きました。
- 業務・・・家電やインテリアの記事を執筆。
- 成果・・・月間で20本の記事を執筆しました。
こんな感じです。本当はもっと詳しく書きます。面接ではここを掘り下げて質問されることが多いので、書いたことは面接官に説明できるようにしておきましょう。
自己PRを書くコツ
職務経歴書には、自己PRを書く欄があります。日本人は謙虚な生き物なので、アピールできるポイントなんてない・何を書けばいいのか分からないという方もきっと多いでのではないでしょうか。
おすすめなのは、多少強引でも思い切って決めてしまうことです。こじつけのようになってもかまいません。内容が微妙でも、自信をもって強みを話せるだけで印象はよくなります。
また、自己PRにはエピソードも盛り込みましょう。根拠のない主張に耳を傾ける人はいないですよね。エピソードは根拠になる部分なので、必ず入れてください。
エージェントにブラッシュアップしてもらう
職務経歴書は書類選考に使用される非常に重要なものです。自分だけで作成するよりも、エージェントを利用してブラッシュアップを進めましょう。実際、自分だけで作ったものと、エージェントとブラッシュアップしたものでは、雲泥の差があります。一度自分なりに作り終えたら、必ずエージェントに見てもらってください。
【重要】就職活動の軸を決める
職務経歴書を作り終えたら、次は就職活動の軸を決めます。フリーターの就職活動において、これは最も重要なことです。そして必ず、求人を探す前にやってください。その理由や軸の決め方について解説していきます。
求人を探す前に軸を決める理由
就職活動をスタートしたら、まず求人を探す人も多いでしょう。どんな仕事があるのか気になるのは当然ですが、軸を決める前に求人を探す行為は時間の無駄です。ウィンドウショッピングと似たようなものといえば分かりやすいでしょうか。欲しいものが分かっていない状態で買い物へ出かけると、満足のいく買い物は難しいですよね。就職活動もそれと同じで、望んでいることが不明瞭なまま求人を見ても、ほとんど意味がないんです。
ウィンドウショッピングは買うことが目的ではないこともあるので、その点時間の無駄にはなりませんが、就職活動は就職することが目的です。漠然と求人を探しても、自分自身が何を望んでいるのか分からない状態だから目的である就職には近づけません。
だから、まず欲しいものを見つけてから買い物に出かけましょう。繰り返しになりますが、就職活動におけるウィンドウショッピングは時間の無駄です。
軸の決め方
私が実際にやった軸の決め方を紹介します。私は、下記の3つに沿って軸を決めました。
- 業務・・・どんな仕事がやりたいのか
- 環境・・・どんな環境で働きたいのか
- 待遇・・・どんな条件で働きたいのか
この3つを決められれば、軸は自然とできあがります。こう聞くと意外に簡単そうだなと思う方も多いですが、正直一番しんどいです。何故なら、この3つはかなりふかいところまでブレイクダウンしていく必要があるからです。
例えば業務について、企画がやりたいとします。なぜ企画がやりたいのか、どんな企画がやりたいのか、企画を通してどんな自己実現を図りたいのか、といったようにいくつもの理由を説明できるようにしておかなくてはいけないのです。
特に、業務は環境と待遇よりも深いブレイクダウンを必要とします。自分がなぜその仕事をやりたいと思うのか、何を聞かれても答えられるくらい深堀しましょう。
非常にしんどい作業ですが、コツや近道はなく、根気強く自分と向き合うしかありません。エージェントや友人に相談しながら進めるのもいいでしょう。
なぜ就職しようと思ったのですか?
また、軸に関連して就職しようと思ったきっかけも必ず聞かれます。多くのフリーターは、「収入や保証を安定させるため」と思っているでしょう。私も、はじめはそういった気持ちが多少なりともありました。
しかし、その理由では「正社員ならどこでもいいんだね」と思われてしまいます。
自分に問いかけてみてください。どこでもいいわけでは、決してないはずです。
収入や保証を安定させるのが目的なら、極論、生活保護を申請すれば達成可能です。それを望まないということは、収入や保証の安定のほかに、やりたいことや実現したい何かがあるということなのでしょう。
フリーターから就職をするためには、この「やりたいこと」というのが非常に重要です。どこでもいいわけではない理由を、自分の中に見つけてください。
転職サイトを使って求人を探す
就職活動の軸が決まったら、転職サイトを使って求人を探します。軸とマッチする求人を見つけるだけなので、そう難しくありません。決まった軸はエージェントにしっかりと伝えておきましょう。
気になる求人は企業研究する
気になる求人を見つけたら、企業研究をします。求人概要と企業のHPを見ればだいたいOKです。企業のHPでは、プロダクトやサービスはもちろんのこと、社風まで理解しておけるといいでしょう。社員インタビューや応募者へのメッセージなどに目を通しておくと、より理解が深まります。
応募する
企業研究をしてみて、ここで働きたいと思えたら早速応募します。ボタン一つで応募できるものもあれば、志望動機を必要とするものもあるので、選考フローに合わせて志望動機を用意してください。
志望動機は簡単
志望動機で悩む人は多いですが、軸さえ固まっていれば簡単です。志望動機で悩んでしまうのであれば、それは就職活動の軸が固まっていない証拠。もう一度、就職活動の軸を見直しましょう。
面接
書類選考が通れば、次は面接です。はじめのうちは上手くいかないかもしれませんが、徐々にできるようになります。何故なら、面接で聞かれることは決まっているからです。毎回似たような質問をされるので、回数を重ねるごとに答え方の要領が見えてきます。必ず聞かれる質問は下記の通り。
- 自己紹介と職務経歴を簡単にお願いします
- なぜ就職しようと思ったのですか?
- この職種を志望する理由を教えてください
最低でも、この3つはすらすら答えられるようにしておきましょう。とはいっても、就職活動の軸が決まっていれば難しくないので、面接だからといってそこまで対策する必要はありません。毎回聞かれて答え方も上手くなっていくので、心配しすぎないようにしてください。
おすすめの面接対策
基本的に対策は不要ですが、テクニカルな情報が欲しいという方に向けて、私が実践していたことをひとつお伝えします。それは、話し言葉ですべて書き出すことです。この質問に対してこうやって話す、というのをWordに書き出していました。
Q.自己紹介と職務経歴をお願いします
A.はい。〇〇県△△市からまいりました□□と申します。XXXX年XX月XX日生まれの25歳です。今年で25歳になりました。職務経歴につきまして、~~
こんな感じです。ポイントは、細かいところまですべて書き出すことです。書けることは必ず話せますが、書けないことはだいたい話せません。書き出す中で、「あれ、これ聞かれたら答えられないな」と気が付けるのでおすすめです。
ブラッシュアップをして繰り返す
あとはもう、求人検索から面接までを繰り返すだけです。また、繰り返す中でブラッシュアップを進めていき、より精度高く就職活動を進められるようにします。
例えば、面接で答えに詰まってしまった質問を答えられるようにしたり、職務経歴書をよりよいものに変えたりとといったように、ブラッシュアップを進めていきましょう。
モチベーションややる気の保ち方
ビジネス書を読んだりや転職に関連する動画を観たりすることで、モチベーションややる気を維持していました。仕事そのものに対するモチベーションが上がるので、伴って就職活動のやる気も生まれてくるんです。
おそらく、100社も落ちている私以上に、モチベーションややる気が下がってしまう人はなかなかいないと思います。その私がこの方法でモチベーションややる気を維持できていたので、きっと皆さんにも効果があるでしょう。
フリーターの就職におすすめの転職サイトとエージェント
それでは最後に、おすすめの転職サイトと転職エージェントについてお伝えします。利用する上でのポイントも合わせて解説していくので、参考にしてください。
転職サイトを利用するポイント
転職サイトについては、3つ以上登録するのが好ましいです。理由は、サイトによって保有している求人が違うからです。Aという転職サイトにはあって、Bという転職サイトにはないという求人がたくさんあります。それらを見過ごさないために、複数の転職サイトに登録をしておきましょう。
また、応募のフローも転職サイトによって違います。マイナビ転職やdodaのようにボタンひとつで応募できるものもあれば、Greenのように志望動機や就職の理由も載せて応募できるものもあります。自分のスタイルに合った転職サイトを見つけるためにも、3つ以上の転職サイトに登録しておくのがおすすめです。
私は5つの転職サイトを利用していました。
おすすめの転職サイト
私がおすすめする転職サイトは、下記の3つです。
- マイナビ転職
- doda
- Green
マイナビ転職
マイナビ転職は、とにかく使いやすいです。求人検索の条件を細かく設定できるので、自分の軸に合った求人を探すのが簡単。私自身、マイナビ転職から就職を決めています。求人の数はリクルートやdodaよりやや少ない印象ですが、使い勝手がいいので登録しておくことをおすすめします。
doda
とにかく求人の数が多いです。多すぎて探すのに苦労しますが、条件をしっかり絞れば自分に合った求人はすぐに見つかります。求人の見逃しを減らすためにも必ず登録しておきたい転職サイト。
また、職務経歴書の自動生成ツールが使えるのもうれしいポイントです。職務経歴書のフォーマットを探す手間が省けるので、まずはdodaに登録して職務経歴書を作成しておくというのもひとつの手。
私が一番はじめに登録した転職サイトでもあります。最後まで使っていました。
Green
Web系の仕事に就職を考えているなら、絶対に登録しておきたい転職サイト。大手からベンチャーまで幅広く網羅されており、求人概要も見やすいです。
また、アプリの使い勝手が非常にいいことも魅力のひとつ。転職サイトはごちゃごちゃしがちですが、Greenはサイトの作りがシンプルでとても使いやすいんです。「すべての転職サイトがこれくらい使いやすかったら嬉しいのに……」と思うレベル。
さらに、Greenは志望動機を添えて応募できるので、書類選考の通過率が高いです。私のように職務経歴がウィークポイントという人は、志望動機を添えることでカバーできますよ。
ここまでべた褒めのGreenですが、ただ1点だけいまいちなことがあります。それは、求人の検索機能が使いにくいこと。絞り込み機能が弱いので、求人を探すのに苦労します。そこだけは改善してほしいなと思いました。
転職エージェントを利用するポイント
ポイントはたったひとつ、エージェントに期待し過ぎないことです。エージェントは求人の斡旋や書類の添削、企業との交渉代行など、さまざまな方面で協力をしてくれますが、必ず就職させてくれるわけではありません。
「協力はしますけど、最終的にはあなたの頑張りが重要です」というスタンスなので、エージェントに登録すれば就職できる!とは思わないほうがいいでしょう。
むしろ、エージェントによっては無理やり就職させようとしてくることもあります。
人材紹介業のほとんどは、求職者からではなく企業からお金をもらって成り立つビジネスモデルを採用しています。そのため、エージェントにとって求職者はお客様ではありません。エージェントは、求職者を企業に就職させれば企業から報酬をもらえるので、極論を言ってしまえば求職者が就職先でどうなろうと関係ないわけです。だから、無理やし就職させて企業から報酬をいただこうとします。
もちろん人によるので、すべてのエージェントがこういう考えというわけではありませんが、ほとんどのエージェントが企業から報酬をもらうビジネスモデルであることは理解しておくといいでしょう。
おすすめの転職エージェント
エージェントに対して否定的な意見を言ってしまいましたが、活用は絶対にしたほうがいいです。実際に利用したおすすめの転職エージェントを紹介します。
dodaエージェント
たくさん求人を紹介してくれて、なおかつフォローが手厚いです。私はdodaエージェント経由で2つの面接を経験したのですが、2つとも詳細な面接対策をしてくれました。「この企業はこういう風土なので、〇〇様のこういった経験が刺さりますよ!」や「面接でこういったことを聞かれるので答えられるようにしておきましょう」など、企業と求職者の間に入って力を貸してくれます。
特に驚いたのは、落ちた面接を復活させてくれたこと。「不採用の連絡をいただきました。こういった理由から企業様は〇〇様の採用に踏み切れないようです。この部分を払しょくできれば、考え直してくれる可能性もあります。一緒に払しょくする方法を考えましょう!」と言ってくれました。そのときは21時くらいで、「できる限り早いほうがいいです」ということで22時まで一緒に払しょくする方法を詰めてくれました。
結局、不採用という結果に終わってしまいましたが、あそこまで親身になってくれるエージェントはそういないでしょう。dodaのエージェントが全員そうではないと思いますが、私はdodaのエージェントに大きな感謝をしています。
マイナビジョブ20's(トゥエンティーズ)
まだ20代の場合は、マイナビジョブ20'sの利用もおすすめです。マイナビ唯一の20代専門転職エージェントであり、文字通り20代の転職活動に特化しています。適性診断やキャリアカウンセリングなどはもちろん、面接対策や内定後の入社交渉の代行まで請け負ってくれますよ。
20代専門というのはかなりうれしいポイントです。年齢に制限がない場合、中途採用は20代から40代まで幅広い年代の人材が対象になります。経験値でいえば、当然30代以上の人たちには勝てないので、同じ土俵で戦うのはそもそも不利。こういった年代の人たちと闘わなくて済むのは、かなりありがたいですね。
それに、マイナビジョブ20'sに求人を掲載している企業は、「20代の人材が欲しい」と思っているわけです。20代の人材が欲しい企業と、20代の求職者をピンポイントでつなぎ、お互いのニーズを満たしてくれるので、話がまとまりやすいです。
また、職種未経験でも応募できる求人が豊富なことも魅力のひとつ。「若手は育成することで戦力になってもらう」といった考え方の企業が多く求人を出しているので、未経験からチャレンジするチャンスがたくさんあります。未経験の場合、本当にやりたいのかどうかが決め手になるので、就職活動の軸は忘れずに決めてくださいね。
私は職務経歴に問題があったのでうまく利用できませんでしたが、マイナビジョブ20'sは通常の20代の方にぜひ使ってみて欲しいです。もちろん、フリーターの方も利用できます。利用して損をすることは、決してないでしょう。
20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントのマイナビジョブ20's(トゥエンティーズ)
ただ、マイナビジョブ20'sは20代に特化したエージェントサイトであり、今の能力ではなく将来性を買って雇うスタンスなので、優秀な方は求人に物足りなさを感じるかもしれません。そういった方は、普通のマイナビエージェントを利用するといいでしょう。
私は普通のマイナビエージェントを使わなかったので具体的にレビューはできませんが、関東圏の求人に強いそうなので、東京や神奈川で転職をしたい方は合っていると思います。
フリーターでも正社員に就職できる
以上で、25歳のフリーターが正社員として就職する方法の解説は終わりです。実体験を織り交ぜながら、できるかぎり分かりやすく書きました。
フリーターは正社員として就職なんてできないと思っている人もたくさんいると思いますが、そんなことはありません。就職活動の軸を定めれば、絶対に就職できます。私がそうでした。
世間の目は冷たく鋭いですが、自分の中に軸を持ち、それをぶらさず行動し続ければきっと道は開くので、頑張りましょう。
転職活動のぼやき。26歳になってしまったが以前フリーターのまま
今回は、備忘録的な形で記事を書いていく。転職活動を進めているものの、成果は上がらず、以前としてフリーターのままだ。すでに70企業以上は受けている。本腰を入れて応募しているのは半分くらいなので、70企業も落ちたという感覚はないが、現実の厳しさは十分に感じる。どの企業にいっても、定着性不安のため、という理由で断られてしまう。まあ、そりゃそうだ。俺が面接官でも、26歳で次が5社目だなんてとんだ地雷だと思う。しかし、それはもう変えられないから嘆いてもしょうがない。面接で転職回数が多いことについて聞かれたら、素直に転職理由を伝えるしかない。今まで、3回会社を辞めてきた。飲み会で上司に殴られた後、「ありがとうございます」と苦笑いする先輩社員を見て新卒入社の会社を1か月半で退職し、次に就職したドラッグストアの販売員をWebの仕事がやりたくなったという理由から1年で辞め、次に勤めた治癒率5%未満の漢方薬を「7割の方が治っていますよ」電話販売する零細企業を半年で辞めた。確かに転職回数は多い。でも、そのときの選択が間違っていたとは全く思っていない。誇れる経歴じゃないことは確かだ。面接をするたびに、「こんな経歴を抱えて日本社会で生きていけると思うなよ」という他人と自分の心の声が聞こえてくる。それでも、私は間違った選択はしてこなかったつもりだ。間違っていたのは、社会に対する自分のスタンスの取り方と、転職のときにしっかりと将来を見据えられていなかったことの2つであり、退職そのものは間違いじゃなかったと思っている。何故なら、今の私は過去の私がその環境で成長していたときよりも、自己実現に近づけているから。憧れていたWebの業界で働けているし、学んだ知識を活かして副業でもお小遣い程度にお金をもらえるようになった。これは、あのときに辞める決断をしたから得られたもの。辞めなければ得られていたものも、きっとあるだろう。でもそれは、私が望んでいた自己実現ではなかったと思う。ドラッグストアの店員として、効果のない漢方薬を売る人間としてキャリアを重ねていきたいとは思っていなかった。編集やマーケティングがやりたかった。だから、Webがやりたいといって職業訓練校にいき、まずはアルバイトからといってWebライターをやり、次は正社員としてWebディレクターもしくはWeb編集者を目指している。その都度、会社や通う場所は変わっているけど、目指している目標に続く道を歩み続けられている。次の中間目標は、転職先で3~5年間の経験を積み、スキルを身につけてレイヤーを1個あげることだ。大丈夫、これまでも自分が望んだことを実現させてきた。やれる。やらなきゃだめだ。これまでの人生が不正解だったと自分が思わないために。これまでの選択が正解だったと証明できるように。環境のせいにせず、自分の力で切り開いて耐えていく。
Dickies(ディッキーズ)874を徹底解説!着画付きでコーデやサイズ感も紹介
- Dickies(ディッキーズ)874とは?
- Dickies(ディッキーズ)874の特徴
- Dickies(ディッキーズ)874のサイズ感
- Dickies(ディッキーズ)874【コーデ例】
- ディッキーズ874は着こなしの幅がめちゃくちゃ広い
Dickies(ディッキーズ)874とは?
みなさん、Dickies(ディッキーズ)というブランドをご存じですか? ディッキーズとは、アメリカ合te衆国のテキサス州フォートワースに本社を置く、世界的に有名なワークカジュアルウェアブランドです。
ディッキーズというブランドが誕生したのは、今からおよそ100年前の1922年。農夫や鉱夫など働く人の作業着を生産する会社として、C.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーと数人の仲間によって立ち上げられました。
第二次世界大戦中、政府の要請を受けて何百枚もの制服を生産していたという歴史があり、今回の記事のテーマでもあるディッキーズ874は、第二次世界大戦後の1950年代に作られたモデルです。
「労働者の声を聞く」という信念のもとに生まれ、生地の丈夫さや汚れにくさ、着る人の体型を選ばない普遍性などから大ヒットし、世界中の労働現場に広まっていきました。
1990年代に入ると、丈夫さや価格の手ごろさから西海岸のスケーターたちの間でディッキーズ874が大流行。そうして、ワークウェアブランドとしてだけでなく、カジュアルウェアブランドとしての地位も確立していきました。
もっと詳しい情報が知りたいという人は、下記に貼ってあるディッキーズ公式サイトのリンクを踏んでみるといいでしょう。
参考文献 HISTORY | Dickies | ディッキーズ公式サイト
Dickies(ディッキーズ)874の特徴
ディッキーズ874の最大の特徴は、前述したように「もともとは労働者のために作られたパンツ」であること。働きやすさを重視して作られているため、機能性に優れています。労働者のためを思って作られたディッキーズ874には、具体的にどのような特徴があるのか。生地や素材感についてまとめました。
丈夫な生地
ディッキーズ874の特徴として特筆しておきたいのが、生地が丈夫であること。ディッキーズ874は、T/Cツイルと呼ばれる生地で作られています。T/Cツイルとはポリエステルとコットンを混合した素材。ポリエステルならではの通気性・速乾性と、コットン特有の着心地を兼ね備えています。
汚れがつきにくく、しわになりにくいので、遠慮せずガシガシ穿くことができるんです。ほとんど縮まないので、洗濯に気を使う必要もありません。働くために作られているだけあって、ディッキーズ874は非常にタフです。
外見としての素材感
外から見た素材の印象は、普通のチノパンという感じです。ポリエステルとコットンを混合した素材なので、コットン特有のくたり感はありません。ノリが付いているうちは、パリッとした印象もあるでしょう。ピッタリ目のサイズを選べばフォーマルっぽいスタイルにも合わせられますが、カジュアルの域を出ないので、ビジネスカジュアルには不向きです。
履き心地としての素材感
履き心地は、ノリが付いているどうかによって大きく変わります。ノリが付いていると、パリッとした感じで履き心地は非常にゴワゴワしていますが、ノリが付いていないと履き心地はとっても柔らかいです。購入後、完全にノリが落ちた874を1本持っていますが、個人的にはユニクロや無印良品のチノパンよりも履き心地がよいですね。
労働者のために作られているという背景を踏まえると、動きやすさは重要なポイントだったのかもしれません。
Dickies(ディッキーズ)874のサイズ感
ディッキーズ874は、農夫や鉱夫が働きやすいように設計されているため、下半身の動きを妨げないゆったりとした作りです。基本的なシルエットは太め、そう考えておくといいでしょう。
ただ、サイズの選び方によって外から見たシルエットは変わります。大きめのサイズを選べばよりカジュアルなスタイルになりますし、小さめのサイズを選べばスラックスのようなフォーマルな着こなしに近づくので、サイズ選びがとても重要です。
ここからは、サイズ感について解説していきます。実際の着用画像を載せながら進めるので、私の体格を参考にしてディッキーズ874のサイズを選んでみてください。
着用者の体格:174cm / 62㎏
ディッキーズ874 黒 W32×L30 ロールアップ1回
W32×L30のロールアップ1回だとこのような感じです。ストレートのシルエットがきれいにでていて、きれいめからカジュアルまで幅広いスタイルに合わせられます。着用感は、ちょっと動きに制限がでるかなーくらい。個人的には、一番着回しが利くサイズだと思っています。
ディッキーズ874 ネイビー W32×裾上げ
W32を裾上げしたものがこちらです。くるぶしが少し見えるくらいまで裾上げしました。靴の周りにクッションができないので、同じW32の裾上げしていないものより、きれいめなスタイルに合わせやすいです。
ディッキーズ874 カーキ W33×L30 ロールアップ2回
先ほど紹介した2つよりワンサイズ大きめの、W33です。ロールアップを2回していますが、それでも足元にクッションができるので、カジュアルな着こなしに合わせるのがベストでしょう。ワンサイズ大きくなるだけで、腰回りや太もも回りのゆったり感は結構増します。
ディッキーズ874 黒 W33×L30 ロールアップなし
カーキと同じく、W33×L30の黒です。ロールアップをしていないので、クッションが大きくかなりルーズな印象ですね。ストリート系やB系のスタイルに合わせるなら、これくらいだぼついていたほうが似合うかもしれません。
ディッキーズ874 チャコールグレー W32×L30 ロールアップ2回
W32のチャコールグレーです。2回ロールアップをしているので、クッションがあまり見えませんね。足元をすっきりさせたい場合は、W32を穿くようにしています。
ディッキーズ874の着こなし方
ディッキーズ874の着こなし方は、サイズ選びによって大きく変わるでしょう。着画像付きでこれまで解説してきたように、きれいめもカジュアルもサイズ選びひとつで自由に決められます。私は2種類しか持っていませんが、3種類くらい別サイズを持っておいても、シーンを変えればそれぞれ穿きこなせると思います。
ただ、ここでひとつ踏まえておいてほしいポイントが、ディッキーズ874は、アメリカ生まれのワークウェアであるということ。炭鉱や農場で働く人たちのために作られたというバックグラウンドを持つアイテムなので、その背景を理解した踏まえた上で着こなし方を考えてみると、より楽しく穿けると思います。
なぜバックグラウンドまで意識して穿くことをおすすめするのかというと、こだわりを持って洋服を選ぶと、そのアイテムに対して愛着がわいてくるからです。似たようなシルエットのチノパンではなく、ディッキーズ874を穿く理由を、自分なりに持っておくとより好きになれます。
私は、100年以上前に立ち上がった会社が第二次世界大戦中に作ったモデルというポイントに惹かれています。それだけ長く愛されていることもすごいし、働く人たちのために作られたという背景から生まれる機能性の素晴らしさにも魅力を感じています。クラシカルな装いがしたいと思っていたので、そこも合っていました。
そんな風に、手に入れたアイテムに対して何かのストーリーを語れると、より愛着がわいてファッションを楽しめるんじゃないでしょうか。
Dickies(ディッキーズ)874【コーデ例】
それでは、ディッキーズ874を使ったコーデ例を紹介していきます。私が普段している格好を紹介するので、申し訳ないんですけど、おしゃれなコーデを紹介するわけではありません。「ああ、ディッキーズ874ってこんな感じで着れるんだ」くらいの気持ちで見てもらえると幸いです。
ディッキーズ874黒×ロンT×ドクターマーチン8ホール
ディッキーズ874のサイズW32と、セオリーズというスケートブランドのロンTを合わせたコーデです。靴は、ドクターマーチンの8ホールを履いています。私の中では、割ときれいめな着こなしのつもり。このドクターマーチンは、オールブラックなのでステッチが黄色くありません。いかにも感がなくて私は好きです。
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ディッキーズ874黒×白T×コンバース
ディッキーズ874黒のW33を2回ロールアップして穿いています。腰回りや太もも回りはゆったりとして動きやすく、ロールアップをしているので足元にクッションができずスニーカーが目立ちます。サイズ感解説でも登場していたこの白Tは、ヘインズのビーフィーというアイテムです。XLでも大きすぎない絶妙なサイズ感と、非常にタフな生地が特徴の白T。
[ヘインズ] ビーフィー Tシャツ BEEFY-T 2枚組 綿100% 肉厚生地 ヘビーウェイトT 生地が丈夫で肌になじむ メンズ ブラック 日本 L (日本サイズL相当)
ディッキーズ874ネイビー×白ロンT×オールドスクール
裾上げしたネイビーW32を、2回ロールアップしています。スニーカーやソックスを見せたいとき、パンツがフルレングスのままだと、ロールアップをしてもなかなか見えないですが、裾上げをしているとちゃんと見せられます。タックインは、なんとなくシティボーイっぽくて好き。
[バンズ] オールドスクール スニーカー ユニセックス (並行輸入品) (US4.5-22.5, BLACK(VN000D3HY28))
ディッキーズ874カーキ×バンドカラーシャツ×赤コンバース
無印良品のバンドカラーフランネルシャツMサイズに、ディッキーズ874カーキW33を合わせました。靴は、コンバースのオールスター100ハイカット赤。意外にカーキと赤の相性がよくて、下半身の組み合わせはよくやります。
[コンバース] スニーカー キャンバス オールスター HI (定番) レッド 24.5 cm M
ディッキーズ874チャコールグレー×白ロンT×エアマックス90
最後に紹介するのは、チャコールグレーのディッキーズ874W32とナイキエアマックス90エッセンシャル90の組み合わせです。ちょっとやぼったく見えるんですけど、タックインとロールキャップを合わせると割ときれいにまとまります。エアマックス90のようにボリュームのあるスニーカーと相性がいいので、個人的には一押しのコーデです。
ディッキーズ874は着こなしの幅がめちゃくちゃ広い
いかがでしょうか。ディッキーズ874について、バックグラウンドや製品としての特徴、サイズ感やコーデ例を紹介しました。私は、サイズや色が違うものを5着もっているほど、ディッキーズ874が好きです。ゆったりとした着用感にタフな生地、サイズ次第できれいめもカジュアルもいける汎用性の高さ。どれをとっても魅力的なアイテムだと思っています。
もし、この記事を読んでディッキーズ874のことがよく分かった、好きになれたという方がいれば幸いです。一緒にディッキーズ874を楽しみましょう。
最後に、私が購入に使用する楽天の公式ショップへのリンクを貼り付けておきます。気になった方はぜひのぞいてみてくださいね。
【RIZIN20】堀口恭司と朝倉海が大みそかにタイトルマッチ!勝敗予想
RIZIN20で堀口恭司と朝倉海がタイトルマッチ
2019年10月12日、エディオンアリーナ大阪にてRIZIN19が開催されました。多くのファイターが激戦を繰り広げる中、一際目立ったのが、朝倉海vs佐々木憂流迦(うるか)の試合です。この試合は61㎏の契約で行われ、結果はなんと朝倉海の1R54秒KO勝利。UFCで活躍していた過去を持つ佐々木憂流迦を、1分足らずでKOしてしまいました。
その衝撃の試合後、朝倉海はマイクパフォーマンスで、観客席に座っている堀口恭司に「大みそか、ベルトを賭けてもう一回やりましょうよ」と対戦を直訴。これに対し堀口恭司は、リングまで上がり「1回負けているからベルトなんていらないよ。次、獲りに行くから見ててね」と返しました。RIZINのCEOである榊原信行も登壇し、大みそかにタイトルマッチをやることが正式に決定。
2019年の大みそかに、超ビッグマッチが行われます。
RIZIN18では堀口恭司が朝倉海にまさかの敗北
2019年8月に開催されたRIZIN18で、堀口恭司は朝倉海に敗北しています。1RKO負けという衝撃の結果に、日本中が驚きました。堀口恭司は、最強のメイドインジャパンとして世界に名前を轟かせている世界最強クラスの軽量級ファイターです。日本国内では頭2つ分くらい抜けていると思われており、RIZINよりも規模が大きい世界的な格闘団体ベラトールのチャンピオンベルトも所持しています。その堀口恭司が、朝倉海に1RKOで敗北してしまったというのは格闘界を揺るがす驚愕の出来事でした。
堀口恭司に勝利した今でこそ、朝倉海の強さは認知されていますが、戦う前の下馬評は堀口恭司の圧勝が最有力だったのです。世界から見ればほぼ無名の朝倉海が、世界最強クラスの堀口恭司を1RでKOする。どれだけすごいことなのか、格闘技ファンなら分かるのではないでしょうか。ちなみに、堀口恭司が打撃でKOされるのは初めてのことです。
▼堀口恭司vsコールドウェル(ベラトール元王者)の試合はこちら
RIZIN14.堀口恭司vsダリオンコールドウェル!結果レポート - MC烏龍茶の随筆
堀口恭司と朝倉海の強さを分析
堀口恭司と朝倉海の強さを、私の個人的な目線から分析していきます。
堀口恭司の戦歴・強さ
堀口恭司の戦歴は、31戦28勝3敗。KOの数は14なので、勝利した試合の半分をKOで締め括っています。ファイトスタイルは、空手をベースにしたバリバリのストライカー。独特なステップで間合いを調整し、一気に距離を詰めて打撃を当てるというスタイルです。寝技を全くできないというわけではなく、ダリオンコールドウェル戦ではグラウンドからチョークスリーパーを決めて勝利しました。あらゆる局面に対応し、その上で自分の土俵であるスタンディングに持ち込めるオールラウンドファイターといえるでしょう。
朝倉海に負けるまで対日本人の戦歴は無敗であり、バンタム級において圧倒的な存在として君臨していました。RIZINでは収まりきらないスケールの男で、ベラトールのバンタム級まで獲ってしまいましたし、いずれはセフードと対戦し日本人の悲願であるUFCのベルトも獲るのではないか?と予想されていたほど強い男です。私の意見ですが、朝倉海に敗北を喫したものの、バンタム級世界最強クラスの総合格闘家であることは間違いないと思っています。
当て感のよさ
堀口恭司の強みは、当て感のよさにあると私は分析しています。ストライカーではあるものの、K-1王者武尊のようなトルク型ではなく、遠間から一気に打撃を当てるタイプなので、至近距離で殴り合うことはしません。独特なステップで自分の打撃レンジを保ち、適切なタイミングで正確に顔面を打ち抜きます。精度が非常に高く、吸い寄せられるように相手の顎や頬を捉えているんです。その速さと正確さに、「面食らってしまう」相手がたくさんいました。打撃精度の高さや当て感のよさは、堀口恭司の強みといって間違いないのではないでしょうか。
朝倉海の戦歴・強さ
朝倉海の戦歴は、14勝1敗。最後に負けたのは2年4ヵ月前のムン・ジェフン戦で、そのムン・ジェフンにも2018年の大みそかにリベンジを果たしています。15戦のキャリアで1敗しかしていないのはすごいですよね。しかも、14勝のうち9KOと65%近いKO率を誇ります。兄の朝倉未来とともに、アウトサイダー出身の格闘家として爆裂に知名度を上げてきています。
優れた打撃能力
朝倉海の強さは、すばり打撃です。とにかくハンドスピードが速く、野性的。精度は荒いように見えますが手数を繰り出せるため、パンチの交錯ではすでに世界トップクラスといえるでしょう。いわゆる「トルク型の近接戦闘タイプ」だと思います。一歩間違えると自分も打撃をもらってしまうリスキーなファイトスタイルですが、朝倉海はハンドスピードが速いので自分がもらわずにパンチを当てることができます。
また、朝倉未来の存在も朝倉海の強さを支えていると思います。朝倉未来は分析が得意と言っており、弟にもそれは伝授しているとコメントしていました。冷静に分析し、淡々と実行する。仕事であれば、これほど優秀な人材はいませんね。RIZIN18の前のインタビューでも「堀口恭司の弱点も見えている」と言っていました。信頼できる分析家がいることは、格闘家にとって非常にありがたいことでしょう。
【勝敗予想】堀口恭司と朝倉海はどちら強いのか
前置きがかなり長くなりましたが、2019年の大みそかに開催される堀口恭司vs朝倉海のタイトルマッチの勝敗予想について、個人的な見解を書いていきます。あくまでも私個人の意見なので、参考程度に読んでもらえるとうれしいです。
3RKOで堀口恭司が勝つ
いきなり結論から言います。3Rに堀口恭司が朝倉海をKOして勝利するでしょう。この意見には3つの理由があるので、それを下記にまとめます。興味のある方はぜひ読んでみてください。
理由1.堀口恭司が完全に対策をしてくる
理由の1つ目は、堀口恭司が朝倉海に対して完全に対策をしてくるだろうということです。前回の試合は、お互いに初めての対戦であったため、映像でしか対戦相手の情報を得られませんでした。そうなると、対戦経験が豊富な堀口恭司のほうが抜き取られてしまう情報の量は多くなります。朝倉海は対戦数が少なく、しかも急成長していたので過去の情報があまり当てになりません。
しかし今回は、一度手を合わせています。対戦することによって得られる情報の量は、映像よりもはるかに多いでしょう。堀口恭司は自身のYouTubeで「ダメだったらそこを直していく。とてもシンプル」といったような内容の話をしていました。RIZIN18での敗北によって見つかった自身の欠点を鍛え上げ、朝倉海への対策を入念に準備してくるのは間違いないでしょう。
そうなると、試合の主導権は堀口恭司が握るのではないかと思います。前回はKOしようという焦りが伺えましたが、今回はおそらく朝倉海のハンドスピードを避けるために「冷静に自分の距離を保つ」ことを徹底するのではないでしょうか。KOのイメージが強い堀口恭司ですが、好戦的なファイトスタイルではないので、「KOにこだわって殴り合う必要はない」と判断すれば、それを徹底すると予想しています。UFC・RIZIN・ベラトールと、さまざまな世界的団体で猛者たちと戦い抜いてきた堀口恭司。前回の敗北を糧に、パワーアップして戻ってくるはずです。
理由2.朝倉海のスタミナ問題
2つ目の理由は、朝倉海のスタミナ問題です。朝倉海が唯一敗北を喫したムン・ジェフン戦なのですが、KOされてしまったのは3R目でした。映像を見る限り、朝倉海には疲れの色が見えており、その隙をついてムン・ジェフンがパンチをヒットさせた感じです。2年以上前のことなので今は違う可能性もありますが、過去にそういう試合があったことは事実なので、事実だけで見るならスタミナ面が弱点なのは考え得るのではないでしょうか。それか、スタミナがないのではなく、長期戦が苦手という捉え方もできます。
ひとつの場面を全力で戦い抜く印象があるので、要所で力を抜ける堀口恭司とは試合の後半で差がつくのではないか予想しています。3R前半、試合の前半でスタミナを使ってしまった影響で腕が下がり、堀口恭司の飛び込みに反応ができなくなる。そして、ムン・ジェフン戦と同じように一瞬の隙を突かれダウン、パウンドでKOというのが私の予想です。
理由3.地力の部分
最後の理由は、純粋な地力の差です。堀口恭司と朝倉海の間には、まだ実力の差があるように思えます。勢いにのる朝倉海ですが、まだまだ伸びしろのほうが長い若手ファイターです。堀口恭司は、年齢的にもキャリア的にも最盛期に近く、経験値の豊富さは誰もが認めるところでしょう。その経験値の差を、勢いだけで埋めることは難しいのではないかというのが私の意見です。
朝倉海は、噛み合えば最強かもしれません。純粋な戦闘能力だけで見ると、堀口恭司より優れている気がします。しかし、格闘技は戦術が非常に重要なスポーツです。戦い方や事前準備、気持ちの整え方がとても大切で、そういった面で経験豊富な堀口恭司が有利なのではないかと考えています。
とはいっても朝倉海の強さは本物
ここまで、堀口恭司が勝利するという意見のもと理由を説明してきましたが、朝倉海が勝利する可能性も十分に高いと思います。「勝敗予想をするのであれば、こういった理由から堀口恭司が勝つ」というだけで、朝倉海が勝てないとは思っていません。RIZIN19を見るまで、RIZIN18での堀口恭司1RKOはラッキーパンチの可能性も捨てきれないではないかと思っていました。しかし、RIZIN19で佐々木憂流迦の顎を粉砕した左と右のきれいなワンツーを見て、あれはラッキーパンチなどではなく、実力だったと確信しました。UFCで活躍していた佐々木憂流迦を、あれだけ完璧に突き放せるのはすごいことです。朝倉海は、もうすでにバンタム級世界戦線に割って入ってきているのだと思います。数年後あるいは数か月後、ベラトールやUFCで活躍する姿も想像に難くありません。
堀口恭司vs朝倉海|勝敗予想まとめ
2019年大みそかのタイトルマッチ、RIZIN18と同じく早々に堀口恭司をKOする可能性もゼロではないでしょう。佐々木憂流迦戦を見て、「堀口、大丈夫か……」と堀口恭司を心配している方も多いと思います。実際、私もそうでした。あまりの圧勝とその手際の良さに、堀口恭司でもこれは危ないぞと思わされたものです。
朝倉海が勝利すれば、RIZINバンタム級王者のベルトは彼の手に渡ることになります。ベラトールのベルトも、「本来は朝倉海が持つべきもの」と考えられてしまうでしょう。つまり、世界王者のベルトが2つ、この試合の賭けに出されているといえます。堀口恭司にとって、この試合ほど重要な試合はありません(本人は楽天家で純粋な方なので、こういったステイタス面は気にされていないと思いますが)。
もちろん、朝倉海は死に物狂いで獲りに来るでしょう。あるいは、もうすでにイケると確信しているかもしれません。どちらにせよ、朝倉海は意識の上でも実力の上でも、バンタム級世界王者を射程圏内に捉えています。そして、周囲もそれを認めています。対戦相手である堀口恭司でさえ、それは認めるところでしょう。
私は堀口恭司のファンなので、予想をするとどうしても偏ってしまうのですが、一応の論理を立てて勝敗予想をしてみました。正直、どっちが勝つのかなんてことは分からないし、どっちが勝っても楽しませてもらえることには間違いないので、勝敗予想なんて無駄なのかもしれません。ただ、強い男を2人並べて「さあ、どっちが強いんだ?」をやるのは、人類の楽しみだと思って記事を書きました。2人の存在に感謝しつつ、大みそかは試合を観戦したいと思います。
2人ともYouTubeをやっているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。2人の人柄がよくわかるので、見ていると面白いですよ。
▼堀口恭司のYouTube
堀口恭司/Kyoji Horiguchi - YouTube
▼朝倉海のYouTube
25歳のフリーター日誌。転職活動で見えてきた自分の本質
25歳のフリーター|転職活動中
7月の下旬から転職活動をしている。今の仕事を続けながら活動しているので、仕事が終わった後に、面接を受けたりや書類作成をしたりといった感じだ。勤務時間はフルタイムではなく基本的に16:30上がりでシフトを提出しているため、実働時間はおよそ6時間。面接があれば、午前中に上がることもある。ここまでシフトに融通を利かせてくれるところも少ないだろう。転職活動に理解を示してくれる職場環境に、感謝するばかりだ。
職歴4社のフリーターが転職するのは難しい
しかし、それとは裏腹に私の転職活動はうまくいっていない。その理由は大きく分けて2つだと思っている。
1つは、職務経歴書が汚いこと。ここでいう汚さとは、年齢の割に転職回数が多いことを指している。私の経験社数は、アルバイトを含め3年半で4社。半年以下で退職しているところが2つあり、1年半以上働いていた会社がない。いわゆる「ジョブホッパー」と呼ばれるものだ。職務経歴書は転職サイトに登録しているため、応募先の企業はそれを見て面接をするか否かを決める。私の職務経歴書だと、転職回数の多さゆえに通過率が非常に悪い。40社くらい応募して、面接なこぎつけたのはわずか5社。通過率は、たったの12.5%だ。
2つ目の理由は、私自身、なぜ転職をしたいのかが明確に決まっていないこと。細かい内容については後述するので、それによってなぜ転職活動がうまくいかないことになるのかを説明する。先ほど、職務経歴書の通過率は12.5%であり非常に良くないと伝えたが、一応面接まではいっているわけだ。しかし、二次面接に進んだことがない。なぜ進めないのかというと、2つ目の理由である、転職の理由が明確でないからである。企業が「職務経歴書はアレだけど、一応面接をしてみるか」とせっかく時間をくれたとしても、面接の場で転職の理由がしっかりと答えられないため、「コイツはなぜウチに転職したいのかが分からない。こんなヤツは採用したところですぐ辞めるだろう」と思われてしまっているのだ。
IT業界は比較的寛容だが倍率が高い
私が応募する求人は、IT業界であることが多い。希望している職種が、WEBに関するものだからだろう。たまに不動産業界に応募することもあるが、ほとんどの求人はIT業界のものだ。IT業界は革新性の高い業界ということもあって、経歴や学歴などのステータスに加えて、人柄やその人自身の可能性で採用の可否を判断する傾向が強い。従来のイメージに捉われないために、視野を広く取っているのだろう。そのため、職歴に対し、ほかの業界に比べて寛容というか、それだけで落とされることは少ない。しかし、IT業界は志望する人が多い割に席数が少ないため、倍率が高い。また、実力主義の業界なので、スキル面で誇れるものがないと評価をしてもらえない。だから、職務経歴の汚さを多めに見てくれるとしてもそもそものハードルが高いので楽な道ではない。
転職エージェントを使うのは大いにアリ
私の転職活動は、2つの転職サイトと2人の転職エージェントを使って進められている。それぞれに役割があって、転職サイトは求人を探すために、2人のエージェントは自己分析のために、といったように使い分けている。これ以上増やすとこんがらかってしまうので、サイトもエージェントもこれ以上は増やさない。転職エージェントは初めて利用したのだけど、これは使ったほうがいいと思った。その理由は2つである。1つ目は、自己分析をより精度高く進められること。自分一人で自己分析を進めると、客観的な視点が持ちづらい。そのため、自己PRや志望動機などを作るとき、粗が出てしまうのだ。面接で粗を突かれてしまうと予想外ゆえに答えられないので、できる限り粗は作りたくない。エージェントは、その粗を埋める手伝いをしてくれる。いわば、作ったものに粗がないかを確認してくれる「壁打ち相手」のようなものだ。エージェントが自己PRや志望動機を考えてくれるわけではなく、客観的な視点から粗を埋めるお手伝いをしてくれるだけなんだけど、これが非常に有効。職務経歴書や履歴書の出来が、まるで違ってくる。自分一人で作ったものより、エージェントに壁打ちしたもののほうが選考の通過率や面接の手ごたえがよい。
25歳のフリーター|転職活動で見えてきた自分の本質
ここまで読んでもらえれば分かると思うが、割と本気で転職活動をしている。すでに40社近く応募しているし、面接もいくつかやってきた。転職活動を深めていくと、「自分の本質」的なものが見えてくる。転職は毎日働く場所を変えることであり、自分の人生において重要なイベントだ。軽々しく決められるものではないため、「本当に自分が望んでいることとは?」という自分との対話を嫌というほどやっていく。これまでの自分を振り返ることはもちろん、今後どうなっていきたいのかまで深堀していくのだ。
逃げの転職を繰り返してきた
そうやって「自分の本質」と向き合ってみると、今まで私は「逃げの転職」を繰り返してきたんだなと思う。逃げの転職とは、その会社で働くのが嫌だから転職する、というネガティヴな転職のことだ。何かをやりたいからではなく、その場から逃げたくて転職してしまうこと。過去、さまざまな理由で逃げの転職を繰り返してきた。上司が合わないから、事業内容に共感できないから、正当に評価をしてもらえないから。
不条理や理不尽を我慢できないから
なぜ逃げの転職を繰り返してしまうのか。それは、私が不条理や理不尽を我慢できないからだ。上司がパワハラをしてくる、消費者を騙して商品を売っている、正社員登用を引き延ばしにされる。これらに対して私は、「悪いのは社会、俺は正しい」と考え、受け入れることを拒否してきた。その結果が、25歳で4社の職務経歴。「どう考えても向こうが悪い。なんで俺が我慢しなければならないんだ」と思ってしまうせいで、少しでも会社側に不満があると、我慢できずに辞めてしまう。
繰り返さないためには覚悟が必要
逃げの転職を繰り返さないために必要なものは、覚悟なのだと思う。友人や上司、エージェントからさまざまなアドバイスをもらったけど、みんなが同じようなことを言っていた。どのような会社にいても、ある程度の不条理や理不尽は生まれてしまう。正義と悪で考えてみると、確かに不条理や理不尽というのは許せるものではない「悪」かもしれない。仕事をしていれば、ユーザーに寄り添っていないサービスや気分で仕事をする上司など、選り分ければ悪に分類されるようなものに遭遇する機会も多いだろう。しかし、それらは基本的にどうしようもないものだ。自分がコントロールできるようなものではなく、変えようと思っても変えられないことが多い。しかも、先ほども話したように、どのような環境においてもこういった悪は必ず存在する。そのため、この悪に囚われてしまうと、たとえどんなに理想的な会社にいっても苦しい思いをすることになる。
行動の軸を自分に置く=覚悟
自分の行動の軸を会社においてしまうと、会社のせいにしてしまう。自分の行動の軸を会社ではなく自分の中に持ち、この軸さえ守れるなら多少の悪は仕方がないと腹を決めること。自分の行動は、自分が決める。この覚悟がなければ、逃げの転職というのはずっと繰り返されてしまうのかもしれない。私自身の人生を振り返ってみてそう思う。場所のせいにして「ここではないどこか」なんてものを探しても、一生見つからない。
生きるために仕事をするのではない
仕事をする理由とは何なのだろうか? 今までは、生きるために働くと思っていた。もちろん生きるために仕事は必要だけど、生きられるならどんな仕事でもいいのか?という問いには、多くの人間がNOと答えるだろう。生存欲求が満たされるのはもはや当然のことであり、さらに上の段階、自己実現や承認欲求などを満たすために仕事をする人がほとんどのはずだ。つまり仕事は、「どう生きるか」を実現するためにあるものなのだろう。
環境のせいにせず、自分の軸で行動を選択し続けること。少し嫌なことがあっても、「社会とはそういうものなんだ」と考え、その中で自分がどう在りたいのかを追求すること。逃げの転職を繰り返さないためには、こういった覚悟が必要なのだと思う。
私にも、自己実現の欲求はある。まだ明瞭になっていないけど、実現したい未来があることは間違いない。そのために、転職をする必要がある。そして、その未来のために覚悟を決めなければいけない。もうずっと逃げ続けてきた。「悪いのは社会のほうだ。俺はずっと正しく在り続けてきた」といって、自分に優しい道を選んできた。結局、「自分の領域を侵されたくない」という自己防衛から湧き上がってくる感情なのだろう。自分の幸福を他人に依存する奴は嫌いだ、そう言い続けてきた。なのに、私は私の欲求が満たされるか否かを、環境に依存してしまっていた。自分には何の問題もない、環境さえ変わればすべてが解決する、そう思っていた。でも、そんなことはきっとあり得ない。たとえどんなにいい環境に身を置いたとしても、環境に依存している奴は一生満たされることがないんだと思う。反面、環境に依存せず、自分の軸をもって行動をしている奴は、どんな環境であれ自分の力で道を切り開いていける。そんな強い人間になれるのかどうかは分からないが、ならない限り私は同じことを繰り返すのだろう。
25歳のフリーター|転職活動は上手くいくのだろうか
転職活動が成功するかどうか、正直に言ってとても不安だ。でも、それは自分次第であって、運や他人によって大きく左右されるものじゃない。それに、何をもって成功というのかも曖昧だ。「理想的な会社から内定をもらえたら成功!」で間違いないのかもしれない。しかし、大切なのは転職をしたあと、その会社でどのように働くのか、である。どのような会社を選択したとしても、選んだ道を正解にする覚悟がなければ、結果として今回の転職活動は失敗と言えるだろう。成功の基準は、会社ではなく自分側にある。
今回の記事は、備忘録のようなものだ。転職活動を通じて発見した自分の本質と、それに対しどうやって向き合えば良いのか?という問いに対する答えを、忘れないように記録しておきたかった。
記録して思ったことは、こういった学びを知識として理解するのは簡単だけど、行動に反映させるのは難しいということ。思っているだけなら誰でもできるというのと同じで、行動に反映させられなければ意味がない。
私は、考え過ぎてしまい動けなくなることが多い。心配事の9割は起こらないと言われている。この説はあまり信用していないが、確かにと頷けなくもない。考えても仕方ないことは多い。
【戦極20章】結果レポート!決勝はSAMvs呂布カルマ。優勝したのは…
戦極20章 本戦が開幕
戦極20章の本戦が、9月15日(日)豊洲PITにて開催された。全国に散らばる猛者のMCたちが、一堂に会するこの大会。日本で開催されているMCバトルの大会の中でも、戦極のナンバリングシリーズは規模が大きく、かのUMBと並んで、「MCバトルの日本一を決める大会」とさえ言われている。
優勝賞金は、破格の100万円。
全国の予選で結果を残してきた31名の叩き上げMCたちと、シーンでの知名度と圧倒的な実力を兼ね備えた17名のゲストバトラーが、優勝賞金とプロップスを求めて戦極20章の頂点を目指す。
戦極20章の優勝候補は?
戦極20章の優勝候補はどのMCだろうか? 管理人の私見では、下記の3名に絞られるように思う。
大本命「呂布カルマ」
やはり、この男を優勝候補から外すことはできないだろう。フリースタイルダンジョン2代目モンスターとしてR‐指定以上の勝率を誇る活躍を見せ、KOK2018では念願のビッグタイトルを手にした呂布カルマ。切れ味抜群のディス、随所に仕込まれている粋な韻、卓越したリズムキープ、どれをとっても一流である。最近は、KOK2018で燃え尽きたのか、MCバトルへの若干の飽きも見られるが、それでも勝ってしまうのだからすごい。戦極20章の優勝候補、大本命は、呂布カルマで間違いないだろう。
▽KOK2018の詳細なレポートは下記の記事をチェック
KOK2018本戦の結果!優勝は呂布カルマ|出場MCや全バトルまとめ - MC烏龍茶の随筆
超新星「Authority」
UMB2018で準優勝を果たし、一気にシーンの中心へ躍り出たAuthority(オーソリティー)。戦極20章本戦の予選であるU-22 MCBATTLE FINAL 2019では、確かなスキルを魅せてしっかりと優勝し、実力で戦極20章に乗り込んできた。凱旋MCバトルでも素晴らしい成績を収めており、UMB2018の準優勝がまぐれではなかったことを証明し続けている。多彩なライミングスキルと、話の筋を通すライン展開が強み。間違いなく、今一番勢いのあるMCなので、勢いそのままに戦極20章を奪い取ってもおかしくない。
▽UMB2018の詳細なレポートは下記をチェック
UMB2018本戦の結果!優勝はMU-TON(ムートン)|全バトルレポ - MC烏龍茶の随筆
無冠の帝王「RAWAXXX」
優勝候補として最後に挙げるのは、宮崎の無冠の帝王、RAWAXXX(MOL53)だ。実力的には大きなタイトルを獲得していてもおかしくないのだが、今一歩のところで勝ち切れない。おそらく、本人に執着がないからだと思うが、そろそろビッグタイトルを獲得してもいいだろう。本人にその気がないとしても、ヘッズたちはRAWAXXXが優勝するところを見たいと思っている。本気で勝ちにいっているときの強さは異常なので、ぜひそれが見たい。
戦極20章 本戦 全バトル結果レポート
それでは、戦極20章本戦の結果レポートを記していく。1回戦から決勝まで、すべての試合をレポート。
戦極20章 1回戦
第1試合 百足 vs ミステリオ
戦極20章第1試合は、若手同士のフレッシュな対決。百足は、相変わらずのライミングスキルでカッコよくラップ。対するミステリオは、1バース目でKBDの真似をするというギャグで観客を沸かせた。3バース目で百足が盛り返すと、ミステリオはそれに対応できず。
勝者 百足
第2試合 BATTLE手裏剣 vs ゆうま
グルーヴィーな乗せ方で観客を沸かせるBATTLE手裏剣。ゆうまは、持ち味である下ネタを駆使してBATTLE手裏剣を攻め立てる。「赤ちゃんにとって、ま〇こは世界への入り口」というパンチラインも飛び出すが、BATTLE手裏剣のペースを崩せなかった。
勝者 BATTLE手裏剣
第3試合 MC松島 vs カツヲ
のっけから消費税増税について話し始めるという、自分ワールド全開のMC松島。カツヲは、MC松島のペースに乗らず自分のラップを提示する。MC松島はそこを見逃さず、「消費税増税の話にアンサーがねえ。生活したことねえのか?」とユーモラスなディスをお見舞い。会場も爆発的に湧き、MC松島が勝利。
勝者 MC松島
第4試合 梵頭 vs HYDRO
最近、凱旋などで知名度を上げてきているHIKIGANESOUNDのボス、梵頭。持ち味である、草ネタや皮肉なディスを武器に、HYDROを攻め立てる。HYDROも、滑らかなフローで対抗し、勝負は延長へ。内容は拮抗していたが、得意の草ネタで2バース目を締めた梵頭が勝利。
勝者 梵頭
第5試合 9for vs Novel Core
第11回高校生ラップ選手権の決勝が、戦極20章で再現。Core Boyから改名したNovel Core。先攻から「かたじけねえ、かましてねえ」など、的確なライミングで魅せていく。それに対し、「中身がねえな」と踏み返す9for。これは上手いと思ったが、3バース目でNovel Coreが覚醒。「ゆりかもめ、無理かもね」「好きになるきっと、クリティカルヒット」のラインで会場をぶち上げ、勝利した。
勝者 Novel Core
第6試合 だーひー vs ヒダディー
だーひーは、相変わらずの熱量と徹底したセルフボースでラインを展開。対するヒダディーは、けっこうグダグダだった……。面白いバトルだったんだけど、内容はだーひーの圧勝。
勝者 だーひー
第7試合 言×theanser vs 早雲
言×theanserのライミングスキルは昔と変わらず。固い韻で早雲を攻め立てる。早雲は、「人気はヒップホップのバロメーターにならねえ」とアイドルラッパー化した言×theanserを強烈ディス。3バース目、言×theanserは韻を捨てて早雲に持論を説くが、早雲の3バース目「ビートが小さいなんていうな、ビートはでかくてなんぼだぜ」のラインが会場をロックし、早雲が圧勝。
※本戦が始まる前の音響チェックで、観客はビートが大きいと意見。ビートの音が少し小さくされた。
勝者 早雲
第8試合 ミメイ vs ダースレイダー
2バース目が終わるまでは互角だったけど、3バース目でミメイが地力を発揮。
勝者 ミメイ
第9試合 裂固 vs CJ
バイブス高めのCJ。腐ったシーンについて持論を提示。それに対し裂固は、「シーンが腐ってても自分が腐ってなきゃいいんだよ」と完璧にアンサー。CJもカッコよかったが、内容もスキルも裂固が上回っていた。
勝者 裂固
第10試合 GOMESS vs じょう
対話がしたいことを主張するGOMESS。対するじょうは、ある程度会話を交えながら持ち前のライミングとディスを展開していく。試合が決まったのは、GOMESSの「お前、いじめられてたらしいな。なぜこれまで言われてきたことを(MCバトルで)相手に返す?」というライン。会場がぶち上がり、GOMESSの勝利が決まった。
勝者 GOMESS
第11試合 T-TANGU vs U-mallow
同年代の2人が対決。戦極20章の本戦という大舞台にお前は似合わないとディスるT-TANGU。U-mallowは必死に弾き返そうとするが、最後まで持ちこたえられず。
勝者 T-TANGU
第12試合 Amaterasu vs 左流
Amaterasuは相変わらず自身のスタイルを一切崩さない。左流は、言葉を詰め込みながらも流れるようなフロー観客を沸かせる。左流もカッコよかったが、Amaterasuの徹底したセルフボースがこのバトルを支配した。
勝者 Amaterasu
第13試合 鉄ちゃん vs ふぁんく
「なんで俺がゲストバトラーなんだよ、正社員ん!!」「いろいろネタ考えてきたけど、全部忘れた」という素直で面白いラインを展開する鉄ちゃん。会場はかなり盛り上がっていた。面白かったけど、地力の部分でふぁんくが勝利。
勝者 ふぁんく
第14試合 スナフキン vs Mr.Q
スナフキンが「火をつける」ことはYouTubeのコメント欄で話題になっているのだが、スナフキンもそのことを知っているようで、「火をつける回数とか数えなくていいから」とバースを蹴ると、会場は大盛り上がり。スナフキンが勝利。
勝者 スナフキン
第15試合 CIMA vs フランケン
熱韻スタイルで盛り上げるCIMA。対するフランケンも「豊洲のポセイドンである俺に勝てると思ってんの?」「お前が釣ったブラックバス、俺が倍額で客に売ってやるよ」と面白いバースを蹴るが、CIMAのオーソドックスなスタイルを崩すことができず。
勝者 CIMA
第16試合 PONEY vs ベル
「名」というよりは、「迷」勝負だった。PONEYは3バースすべての小節末を「ナイスパニック」で締めており、そのことに対し、ベルは冷静に「いや、さすがにしつこいよ」と常識人として的確な注意。しかし、最後にはベルもラストバースを「ナイスパニック」と蹴って締めており、なんだか面白い勝負になった。
勝者 PONEY
戦極20章 ベスト32(シード戦)
第1試合 百足 vs GIL
フレッシュなラップで、戦極17章王者であるGILに立ち向かう百足。対するGILは、「バトルで勝つためだけにできあがったようなスタイルのやつに負けるはずがねえ」とベテランの風格を見せつける。これに火が付いた百足、若手の意地を見せ、「ベテランのあんたらはさっさとどけ!」的なバースで食い下がるも、「ベテランでやり続けることがお前にできんのかよ?」というGILの筋が通ったラインの前に撃沈。
勝者 GIL
第2試合 Authority vs BATTLE手裏剣
あんまりかみ合わない2人。Authorityの3バース目、「とぐろを巻く、息を巻く、あんたも舌を巻く」というライミングで会場が湧き、そのまま勝利。
勝者 Authority
第3試合 呂布カルマ vs MC松島
曲者同士の対決。MC松島の「最近、意外と負けてる呂布カルマに勝ってもあんまり自慢にならなさそう」というディスに対し、「先のある若手に譲ってもいいが、お前にはなあ」と完璧に返す呂布カルマ。やはり地力が違う。
勝者 呂布カルマ
第4試合 梵頭 vs SKRYU
SKRYUのシャツをディスる梵頭。SKRYUはそんなディスもお構いなしに、セルフボース強めのラインを展開。「俺を見たいって思ったやつを正義にさせる!」という男気満載のパンチラインで会場をロック。梵頭を支持する声も多く、互角に思われたが、僅差でSKRYUが勝利。
勝者 SKRYU
第5試合 Novel Core vs 漢
ライミングとひねりの効いたディスで攻め立てるNovel Core。「まだいけるか?まだいけるぜ!」という一網打尽の漢のバースをサンプリングし、勢いに乗る。しかし、のらりくらりと攻めてくる漢を止めきれない。戦極18章が思い出されるような。
勝者 漢
第6試合 だーひー vs 阿修羅
バイブス同士のぶつかり合い。スタイルが噛み合っていたので、かなり熱いバトルだった。阿修羅もカッコよかったが、だーひーのカッコよさがそれを上回る。
勝者 だーひー
第7試合 早雲 vs TKda黒ぶち
前のバトルでネガティブな面を主張した早雲に対し、「俺のヒップホップはネガティブじゃねえ」と攻めるTKda黒ぶち。早雲は、「光そのものを見せるわけじゃない、その裏の闇を見せる」と返し、「HIPHOP、愛がど真ん中に入ってんだ」というパンチラインを打ち込んだ。会場は早雲に傾きかけたが、TKda黒ぶちが早雲のラインに自分の熱量を上乗せし、戦況をひっくり返す。土壇場の強さを見せたTKda黒ぶちの勝利。
勝者 TKda黒ぶち
第8試合 ScoobyJ vs ミメイ
互角の試合だったが、僅差でScoobyJが勝利。
勝者 ScoobyJ
第9試合 SAM vs 裂固
SAMは落ち着いた様子でたんたんとラップを披露。いつも通りな裂固とは対照的だった。一流同士、バトルは延長へ。韻の踏みあいになるが、SAMの「俺のマイメン(IDのこと)が3代目になるんだ、負けられねえな!」というラストバースが会場をぶち上げ、SAMの勝利。裂固は本当に悔しそうだった。
勝者 SAM
第10試合 GOMESS vs 韻マン
いつも通り韻を踏む韻マンに対し、「韻のその先に何があるんだ?」と説くGOMESS。韻マンは「ただ楽しく韻を踏めればいい」と返すが、GOMESSは「そうか、でもさっき反逆のルルーシュを2回使いまわしてたぞ、まだまだなんじゃないのか」と説教をかます。これに会場が大盛り上がりした。まさかGOMESSがこんなに強いとは、会場中がそう思っただろう。
勝者 GOMESS
第11試合 RAWAXXX vs T-TANGU
個人的優勝候補であるRAWAXXXが登場。意外と熱量が低い様子で、同じことを言っているバースが何度かあった。T-TANGUは、相変わらずの固いライミングを武器にRAWAXXXを攻め立てる。2回の延長を経て、安定して攻め続けたT-TANGUが勝利。
勝者 T-TANGU
第12試合 Amaterasu vs ハハノシキュウ
Amaterasuは、持ち前のセルフボースの強さでハハノシキュウを攻め立てる。それに対しハハノシキュウは、「前に縄跳びやって一度消えたよな、お前のレベルはにゃんこスターってことだよ」と攻め返し、互角の展開になった。しかし、なぜかハハノシキュウが3バース目でいきなりキレ始め、支離滅裂になってしまう。消去法的にAmaterasuが勝利。
勝者 Amaterasu
第13試合 ふぁんく vs ID
ふざけまくるふぁんく。IDはひたすらにカッコいいラップをし続けていたのだけど、IDが真面目なほどふぁんくのおふざけが引き立てられる。
勝者 ふぁんく
第14試合 智大 vs スナフキン
おしゃれなビートがかかり、バトルは2人のセッションのような状態に。智大のバトルは、バトルという垣根を越えて、相手と作り上げるひとつの音楽になってしまうことが多い。スナフキンが勝利するが、勝敗の枠を越えたアートのようなバトルだった。
勝者 スナフキン
第15試合 NAIKA MC vs CIMA
KOK2018の開幕戦を担った2人が激突。NAIKA MCのことを「毎回同じで意外性がない」ディスるCIMA。対するNAIKA MC、持ち前の声量を活かし「それはお前も同じだろうがよ!」と吹き飛ばす。CIMAの熱韻も冴えていたが、今回はNAIKA MCの勢いがそれを超えていた。
勝者 NAIKA MC
第16試合 晋平太 vs PONEY
お互い長くやっているからか、変なディスり合いや韻の踏み合いはしない2人。2人の掛け合いにストーリー性があって、聞き応えのあるバトルだった。最後には、晋平太の熱量がPONEYのフローを上回る。
勝者 晋平太
戦極20章 ベスト8
第1試合 GIL vs Authority
先攻のGILは、「東北の看板、お前にはまだ早い」というGILにしかはけないディスでAuthorityを攻め立てる。GILという猛者を前に、徐々にエンジンがかかってくるAuthority、いつものライミングに加えて強い意志のこもったバースで打ち返す。GILはさすがの安定感で盤石なラップを披露していたが、Authorityの3バース目の最後「いつもは背中を見てた、今回は俺の背中を見せてやる」というラインで会場が爆発。
勝者 Authority
第2試合 SKRYU vs 呂布カルマ
安定のリズムキープと切れ味抜群のディスで、SKRYUを追い込む呂布カルマ。勢いのあったSKRYUだったが、返しきれず敗北。
勝者 呂布カルマ
第3試合 漢 vs だーひー
だーひーが漢に挑むような構図になった。草ネタと、珍しくフローで魅せる漢に対し、だーひーは一切スタイルを曲げず、真正面からぶつかっていく。「新宿スタイル、チンピラ集団、俺がやらなきゃ誰がやるんだ!」というパンチラインも生まれ、これはだーひーが勝利するかと思われたが、漢の3バース目「ズボンと一緒でまだ青いケツ」のラインで一気にひっくり返った。
※だーひーは空色のハーフパンツをはいていた
勝者 漢
第4試合 ScoobyJ vs TKda黒ぶち
持ち前の声とライミングを武器に勝ちこむ、ScoobyJ。対するTKda黒ぶち、バイブスでそれを倍返しにする。両者一歩も譲らず、拮抗した状態が続くが、「引いた引き金、ざまあみやがれ」など、ScoobyJのイカしたライミングが続き、ScoobyJが勝利。
勝者 ScoobyJ
第5試合 SAM vs GOMESS
ここまで、破竹の勢いで勝ち上がってきたGOMESSと、フリースタイルダンジョン2代目モンスター裂固を倒し勝ち上がってきたSAMの対決。GOMESSは変わらず自分のヒップホップを相手に説くが、SAMはそれに抗うでもなく、受け入れてたんたんとライミングを返していく。GOMESSも、それでは特にいうこともないようで、普通にSAMが勝利した。
勝者 SAM
第6試合 T-TANGU vs Amaterasu
因縁の対決である両者。これでもかというくらい踏みまくるT-TANGUと、徹底したセルフボースで観客を沸かせるAmaterasu。決め手になったのは、Amaterasuの「格が違う? 額が違うんだよ」というライン。T-TANGUがいった格の違いという言葉を拾い、見事にアンサー&ライミングをしてみせた。
勝者 Amaterasu
第7試合 ふぁんく vs スナフキン
このバトルでは、珍しくふぁんくが本気に見えた。スナフキンという強豪を相手に、しっかりやらねばという思いでもあったのだろうか。両者互角の内容で、私はスナフキンに挙げたけど、会場はふぁんくを支持。
勝者 ふぁんく
第8試合 晋平太 vs NAIKA MC
今大会、おそらくベストバウト of ベストバウト。戦極10章から戦い合っている2人のストーリーがテーマとなり、2人ともいつもの倍くらい熱くなっていた。普段から熱い2人だから、会場の熱気は普段の4倍くらいに。最終的には晋平太が勝利。私は、NAIKA MCの「このタイトル、まだまだ若手にはやれねえよなあ」のラインでぶち上がった。
勝者 晋平太
戦極20章 ベスト4
第1試合 呂布カルマ vs Authority
実はこの2人、凱旋MCバトルで一度戦っており、その際はAuthorityが勝利をおさめている。呂布カルマはそのことを根に持っており、「今日は挑戦者としてやらせてもらう」とバースを蹴った。韻とバイブスで応えるAuthority。Authorityは一度勝利していることで油断もあったのか、チャンレジャーとして迫ってくる呂布カルマの勢いを止められない。呂布カルマの勝利。
勝者 呂布カルマ
第2試合 ScoobyJ vs 漢
ScoobyJは、憧れの存在である漢に対し、リスペクトを込めながらディスをはいていく。漢は、それを受け止めながらもあまり興味がない様子で、マイペースにバースを蹴っていく。リスペクトゆえにディスり切れないScoobyJ。ぶれない漢の前に敗北。漢の芯の太さを実感したバトルだった。
勝者 漢
第3試合 Amaterasu vs SAM
お金の力を信じるAmaterasuと、お金ではなく仲間との絆を信じるSAM、完全なスタイルウォーズになった。Amaterasuのセルフボースの強さは相変わらずだったが、SAMの「慶應だっけな。漢字が書けても肝心なものが欠けてるんじゃクソなMCだぜ」というラインで会場が今日一番の盛り上がりを見せる。SAMの勝利。
勝者 SAM
第4試合 ふぁんく vs 晋平太
申し訳ないことに、聞き入っていてメモを忘れた……。
勝者 ふぁんく
戦極20章 準決勝
第1試合 呂布カルマ vs 漢
奇しくも、戦極18章の決勝戦と同じ構図に。「今日は2回もリベンジできる。チャレンジ第2章だ」と、ベスト8同様に挑戦者の姿勢を崩さない呂布カルマ。「木の棒、でくの坊、べきだと思う」と細かいライミングスキルも魅せつけていく。対する漢、珍しく倍速で取って乗せるフローを披露。しかし、内容がいまいちで呂布カルマにも会場にも刺さらない。チャレンジャー精神の呂布カルマが、勢いそのままに雪辱を果たした。
勝者 呂布カルマ
第2試合 ふぁんく vs SAM
ビートはふぁんくが選択し、16×2に。「優勝賞金で嫁さんのお尻をぺんぺんする」というネタでふざけ倒すふぁんく。それに対しSAMは、家庭をもつふぁんくに羨ましいと言いながらも、「億万の富、ムーンライトトリップ」と固いライミングで対抗する。ふぁんくも負けじと「羨ましい、裏話、こないだ風俗いってきましたぁ!2回も!」とおふざけ&ライミングで返す。これはふぁんくがいくかと思われたが、さすがはSAM、「下ネタラップ、みんなが俺を認めるチャンス!」と6文字の韻を決め、勝負は延長へ。延長では、お互いに決め所がなかったのだけど、なぜかふぁんくがラストバースでぐだついてしまい、SAMが勝利を収めた。
勝者 SAM
戦極20章 決勝
決勝戦 呂布カルマ vs SAM
ついに始まった戦極20章決勝戦。役者は、KOK2018王者である呂布カルマと、戦極19章王者であるSAM。決勝の舞台には、やはり、それなりの実績を積んだやつが上がってくるもの。百足やAuthority、9forやNovel Coreなど、強くて上手くて若いMCは沢山いるが、ここに割り込んでくるにはまだ早いようだ。
挑戦者としての姿勢をそのままに、先攻として勝ちこむ呂布カルマ。全盛期に比べるとディスの切れ味が丸くなったような感じはあるが、それでも切れ味は抜群。対するSAMは、呂布カルマのディスに対し、同等かそれを上回る勢いでライミングを重ね、やり返す。「トラブルメーカー、止まる気ねえんだ」「ぶつかり稽古、物足りねえぞ」など、とにかく韻を踏みまくる。また、SAMは韻の踏み方がうまい。観客に分かりやすいよう韻を踏むから、ライミングのたびに会場が湧き、どんどんSAMが有利になる。さすがの呂布カルマでも、この状況をひっくり返すのは難しく、五分で持ちこたえるのが精いっぱいなようだった。さらに、最後のバースでSAMが魅せる。「過去を振り返るんじゃなく、俺が塗り替えるんだよ!」というパンチラインで、会場が爆発した。SAMも確かな手ごたえを感じたようで、バースを蹴り終えたあとも自信満々の表情。ホストの八文字が、観客に歓声を求める。もちろん、会場はSAMを支持した。
勝者 SAM
戦極20章 決勝戦を制し優勝したのは「SAM」
戦極20章を優勝したのは、栃木の凄腕ライマー、SAMだ。19章の団体戦に引き続き、戦極のナンバリングシリーズを連覇したことになる。シード戦ではあまり元気がないように見えたので、今回もいいところまでいって負けてしまうのかなと思っていたけど、まさかの優勝。優勝予想では全く候補に挙げていなかったので、本当にMCバトルというのは何が起こるのか予想がつかない。
戦極20章 個人的ベストバウト
戦極20章の個人的ベストバウトを3つ挙げようと思う。
1.百足 vs GIL
GILは、毎回やる気のないような感じで出てくるんだけど、ラップに対する芯の通り方が尋常じゃないくらい熱くて、スキルだけの若手では勝てないんだなということを再確認させてくれた試合。百足のスキルもすごいカッコよかったんだけど、観客はスキルだけに魅力を感じるわけではないのだろう。「GIL、強いなあ」と純粋に思ったバトルだった。
2.GIL vs Authority
またもやGIL。今度は、若手がGILを越えた瞬間。Authorityは、もちろんスキルフルでカッコいいMCなんだけど、芯の通り方がスキルだけの若手とは一線を画しているように思う。だから、呂布カルマもAuthorityのことを認めたのではないだろうか。変わらずラップの芯を通すGILに対し、バイブスとライミングで男を魅せたAuthority。実に熱いバトルだった。
3.晋平太 vs NAIKA MC
多分、ベストバウトになるんだろうなあと思う試合。正社員も気に入っていたようだし。長い間、積み上げてきたものがある2人だからこそ交わせる言葉があって、それに感動してしまった。
戦極20章 感想まとめ
全体を見ても、とてもレベルの高い大会だったなあと思う。正直、UMB2018より、全体の平均値は段違いでレベルが高いだろう。ゲストバトラーというシステムを採用しており、ある程度のレベルの高さは担保されるものだから、UMBと差がつくのは仕方がない。また、強いだけじゃなく面白いMCもたくさんいて、エンターテインメント性の高さも感じた。鉄ちゃんとかフランケンとか。1点だけ、UMBやKOKに劣るポイントがあるとすれば、システムや運営の雰囲気の違いによる「ガチンコ感」だろう。これは方向性の違いによるものなので、ただ単に違うというだけ。本当に素晴らしい大会でした。はい、また1万文字を越えたので、この辺で終わりにします。
▽戦極19章DVD
戦極MCBATTLE 第19章 -KING OF FANTSISTA 3ON3- 2019.3.31 完全収録DVD
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▽戦極18章の記事もあるよ
25歳のフリーター日誌。森に逃げたくなるときがある
僕はたまに、全てを捨て去って森に逃げ込みたくなる瞬間がある。
なぜ森なのかは自分でも分からないが、おそらく人のいないところに行きたいのだと思う。
だから、海でもいいし山でもいいのかもしれない。
でも、まず初めに浮かぶのは森だ。
木々の隙間から優しい木漏れ日が燦々と降り注ぎ、すーっと息を吸えばひんやりとした空気が肺の中に流れ込む。
森を見上げると、逆光のせいで瞳に暗く映り込む緑がある。
きっと心が落ち着くんだろう。
だから僕は森をイメージするのかもしれない。
僕が捨てたくなるものは何なのだろうか?
なぜ、わざわざ捨ててから森に行きたくなるのだろうか?
捨てるのは多分、所持したままじゃ心が落ち着かないからだと思う。
そして、捨てたくなるものは、きっと社会の中での自分だ。
家族と接するときの自分、働くときの自分、友達と話しているときの自分、パートナーと一緒にいるときの自分。
全部、人間が作った社会における自分だ。
社会をコミュニティと言い換えても間違いではない。
コミュニティの中では、各々に向けて役割が割り振られる。
まるで劇の配役を決められるように。
家族の中で僕は孫だし、彼女の中で僕は彼氏。
あるコミュニティでは孫でありながら、あるコミュニティでは彼氏である。
僕自身のからだは何も変わっちゃいないけど、僕に与えられる役割はその都度で違うってことだ。
すごい早さでコミュニティを行ったりきたりしているから、演じる役目がその度に変わって忙しくなる。
午前中は孫で、午後は友達、そして夜は彼氏になるなんていうこともある。
僕が森に逃げたくなるのは、この忙しさのせいなのかもしれないし、与えられる役割に不満があるからなのかもしれない。
実際、コミュニティにおいて人間に与えられる役割というのは複雑で、多くの人がそれを言葉で説明できない。
でも、皆んな、感覚では分かっているんだ。
例えば、場を盛り上げる人がいたとする。
盛り上げる人が静かだったら、それに気がついた人は「なんで静かなんだろう?」と思うだろう。
これは直感的なものだ。
そして、この直感のレッテルこそが、コミュニティにおける役割を生み出している。
つまり、「なぜ静かなのだろう?」と疑問に思うのは、相手に対して「あなたの役割は場を盛り上げることなのに、なぜ静かなの?」と直感で感じているからだ。
ここに悪意があるかどうかは問題ではない。
あからさまな悪意なんて、法が裁いてくれるから気にしなくてもいい。
僕が怖いなぁと思うのは、直感によるレッテルが役割を生み出し、それがどんどんコミュニティで広まっていくことだ。
広まるにつれて、どんどん息苦しくなってくる。
そしていつしか、その息苦しさから逃げたくなって、コミュニティで貼られた直感のレッテルを剥がすために行動を始める。
その行動のひとつが、森に逃げるってことなのだろう。
森に逃げること以外にも、直接その息苦しいという思いをぶちまけてレッテルを塗りかえようとすることもあるし、ストレートにそのコミュニティと絶縁することもある。
絶縁するというのは、会社を辞める・彼女と別れる・家から出て行くなど。僕にとって選んだ選択肢が有益かどうかは分からない。
ただ、息苦しいままでいることが辛いのは確かだ。
だったら、有益かどうかは分からなくても、最低でも辛いことからは脱したいので、何か行動を起こすのがいいんじゃないだろうか。