【K-1王者対決】チンギスアラゾフ対ジョルジオペトロシアンの結果
アラゾフ対ペトロシアン【新旧K-1王者同士の対決】
先日、ベラトールで夢の対決が開催された。K-1WORLD MAXの70kg級において2009年、2010年の王者であったジョルジオペトロシアンと同じくK-1WORLDGPの70kg級現王者チンギスアラゾフ、その2人の対決だ。
ジョルジオペトロシアン
K-1WORLD MAX2009、2010王者
チンギスアラゾフ
K-1WORLDGP現王者
神の目を持つ伊達男、ペトロシアン
当時、ペトロシアンの強さは別格だった。幾度となく魔裟斗との激闘を演じてきたアンディサワーに完勝し、怪腕マイクザンビディスや古豪アルバートクラウスにも危なげなく勝利。
事実、ペトロシアンの戦績は驚異的であった。はっきりと負けた試合というのは2013年にアンディリスティにKO負けを喫したその試合のみで、ほとんど負けたことがないのだ。魔裟斗でさえ、通算の成績では6回ほど負けているはず。
圧倒的な動体視力【神の目】
ペトロシアンの強みは、圧倒的な動体視力と言えるだろう。一部からは神の目と言われ、相手の攻撃が全くヒットしないことから由来している。そして、その動体視力を駆使した非常にクレバーな試合運びも特筆すべき点だろう。
機械のように相手をじっと見据え、常にタイミングを図っている。攻撃能力も相当なもので、ディフェンスからオフェンスに転じたときの爆発力は恐ろしく、しかも一瞬のカウンターではなく流れ込むように連続して突き刺す。
多彩な攻撃で圧倒するチンギスアラゾフ
アラゾフの強みといえば、変幻自在の攻撃と言えるだろう。アラゾフはスイッチを自在に操り、上下左右に攻撃を散らしていくスタイルだ。がむしゃらに攻めるのではなく、タイミングと距離を測りながらじわじわと攻めていく。
衝撃のピケオー戦
機を伺っているかと思うと、一気に踏み込んでストレートを叩き込んでくる点も驚異的だ。ジョーダンピケオーがKOされたシーンを、K-1ファンなら知っているはず。あのKOは見事としか言いようがない。アラゾフの恐ろしさが存分に見せつけられた試合だった。
先日行われた日菜太とアラゾフの試合は、圧倒的だった。下馬評ではやはりアラゾフが有利だったものの、日菜太は日本人の70kg級ファイターの中では、間違いなくエースだ。アラゾフが勝利するだろうけど、激戦が予想されていた。しかし、アラゾフは盤石な試合運びで日菜太を撃破。改めてアラゾフの強さが示される結果となった。
ベラトールにてアラゾフ対ペトロシアンが実現
怪物といっても過言ではない2人の対決が、つい先日にベラトールにて実現した。夢の対決にもかかわらず日本では放送されていないようで、リアルタイムで観ることは叶わず、動画としても配信されていないので映像を観ることはできなかった。
K-1ファンだったら思わず食いついてしまうような世紀の対決だ。そして何より、アラゾフの実力がはっきりと分かる待望の機会でもある。
アラゾフと同レベルの選手がいない
今のK-1では、アラゾフの実力はあまりはっきりと分からない。強いことは確かなものの、アラゾフの実力のものさしになれるようなアラゾフ以外の役者がいないのだ。
魔裟斗、アンディサワー、マイクザンビディス、アルトゥールキシェンコ、彼らがスターだったのは同じ階級に同じレベルの同志がいたからだ。
ペトロシアンは、文句なしの強者。アラゾフの実力を測るにはベストすぎる相手だ。ペトロシアンも年齢を重ね全盛期は過ぎているのかもしれないが、戦績や動画をみる限りその強さは衰えていない。
肉体的に最盛期と言えるアラゾフが、ペトロシアンを相手にどのような試合をするのか。K-1ファンとしては気になってしょうがない。
【結果】アラゾフ対ペトロシアンはペトロシアンの判定勝利
最も気になるアラゾフ対ペトロシアンの試合結果は、ペトロシアンの判定勝利で幕を閉じた。ペトロシアンが1Rにダウンを奪ったのが判定に大きく影響したらしい。映像を見ていないので詳しいことは話せないのが申し訳ないが、試合結果はそのように報告されていた。
ペトロシアンの壁は厚かった
ペトロシアンの壁はやはり厚かったということだろうか。個人的な見解では、アラゾフが優勢ではないかと思っていた。ピケオー戦でのインパクトはとてつもなく、ペトロシアンを相手にしたとしてもあの突破力でペトロシアンの防壁を突き破るのではないかと思っていたのだ。しかし、実際にはそのようにいかなかったようだ。
K-1の独占契約はどうしたの?
そういえば、アラゾフはK-1で独占契約を結んでいるのではないのだろうか。K-1の契約上、他の団体で試合をすることは禁止されているはず。海外での試合は認められているとかなのかもしれない。
アラゾフレベルの選手をK-1のルールで縛り付けるのは、金銭的にも今のK-1ではおそらく難しい。現K-1で世界レベルの選手といえば、アラゾフくらいだ。ある程度、契約上の規制を緩くしなければアラゾフをとどまらせることは難しい。
まとめ
アラゾフ対ペトロシアンという、新旧K-1王者対決はジョルジオペトロシアンに軍配が上がった。きっとどちらが勝ってもおかしくない試合だったはず。双方とも間違いなく70kg級の世界クラスであり、今のK-1では見られないレベルの試合である。
ゆくゆくは今のK-1もこれくらいの外国人選手を呼べるようになると嬉しい。国内では盛り上がりを見せる今のK-1だが、外国人選手があまりにも少ない。世界王者決定トーナメントと銘打ったとしても、出場選手の半分が日本人だ。それでは世界と銘打つには足りないだろう。少しでもK-1人気が拡大することを願う。