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K-1|武尊vs皇治の試合結果!ホームである大阪で皇治が奮闘

K-1 WORLD GP 2018 JAPAN K-1ライト級世界最強決定トーナメント

2018年12月8日(土)に、「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K-1ライト級世界最強決定トーナメント~」エディオンアリーナ大阪(第1競技場)が開催された。

大会名の通り、K-1のライト級王者を決定するトーナメントが行われ、それ以外にもタイトルマッチやスーパーファイトなど、さまざまな試合が催された。

なんと、8000人が満員御礼。これは、メインイベントをはる【皇治】の力によるところが大きいだろう。

メインイベントは武尊vs皇治

この大会のメインイベントは、武尊と皇治の試合である。

試合前から舌戦が繰り広げられ、YouTubeでもその様子は放送されていた。今でもAbemaの公式チャンネルからその放送を試聴することができる。

口が達者な皇治とそれにイライラする武尊が映されており、試合前からかなりの盛り上がりを見せていた。

スーパーフェザー級タイトルマッチという形式

今回の武尊vs皇治については、「K-1スーパーフェザー級タイトルマッチ」という形式で催される。スーパーフェザー級の王者である武尊に、皇治が挑戦するという図式だ。

武尊がスーパーフェザー級のタイトルをかけて戦うことは初めてであり、初防衛戦ということになる。その相手が、大阪に人気選手「皇治」になった。

開催場所は皇治のホームである「大阪」

今大会の開催場所は、皇治のホームグラウンドである「大阪」だ。

皇治はK-1選手の中でもサービス精神が旺盛で、パフォーミングとして過激な発言を繰り返すこともあるが、その裏側には「K-1をもっと盛り上げたい」という思いがある。

そんな皇治の姿勢が好きな人は多く、今回の会場が8000人を埋めて満員となったのも皇治の人気によるところが大きいだろう。

逆に武尊にとってはアウェイに近い。皇治が武尊に挑戦するわけなので、皇治ファンからしたら敵のようなもの。「K-1が好きな人」よりも「皇治が好きな人」のほうが多そうだ。

武尊が国外で試合をすることはほとんどないし、武尊自身人気のある選手なので、これまではアウェイの状況で試合することがほとんどなかった。それが、今回は初めて明らかなアウェイの中で試合をする。

 

 

皇治vs武尊について試合前の印象

私見だが、皇治が武尊に挑戦するとは思っていなかったので、試合が決まったことを知ったときには驚いた。

それについて、3つの思ったことがあるのでそれぞれ書いていきたいと思う。

1.武尊がいまさら国内の選手とやるの?

まず、武尊がいまさら国内の選手と試合をするの?と思った。武尊の強さは、日本国内では比肩する選手が那須川天心くらいしかいないレベルである。

那須川天心以外の国内選手と戦っても、格下との試合になるので盛り上がらない。やるなら外国の強い選手だと思っていたので、いまさら国内の選手と試合するのか……と思ってしまった。

2.皇治がタイトルマッチは明らかに早すぎるのでは?

確かに皇治は新生K-1の選手の中でも人気があり、知名度は高い。

それなりに実力と実績もあるので、決して弱い選手ではないが、武尊のスーパーフェザー級タイトルに挑戦するのは速すぎるのではないか?という印象があった。

いくらスタウロスを倒したからといっても、皇治はトーナメントで小宮山工介に敗北を喫している。ダニエルピュータスあたりとスーパーファイトをもう一度挟み、実力を示してからじゃないのほうが適切な流れなのではないか?と思った。

そうでなければ、タイトルマッチが非常に安いものに見えてくる。

3.武尊の圧勝に決まっている

正直、武尊の強さは国内軽量級キックボクサーの中でも別格である。同じクラスの選手といえば、那須川天心くらいだろう。

ダニエルピュータスとの試合を観るまでは、那須川天心のほうが2枚ほど上手かと思っていたが、今は同じくらいのレベルにいるような気がする。世界の強豪という感じだ。

それに比べると、皇治はまだ日本国内の強豪レベルという印象。皇治と武尊がやっても、武尊が圧勝して終わるんじゃないかと思った。

▼ダニエルピュータスvs武尊の記事

武尊、強豪ダニエルピュータスを1ラウンドでKO【武尊強すぎる】 - MC烏龍茶の随筆

 

 

武尊vs皇治の試合結果をラウンドごとにレポート

それでは、実際の試合「武尊vs皇治」について、ラウンドごとにレポートしていく。試合前の印象とは全然違う試合内容になったので、その感想についても書ければと思う。

武尊vs皇治|1Round

Roundが始まってすぐに、皇治は武尊に圧力をかける。武尊は圧力をかけて試合のペースを作っていくのだけど、それをさせないつもりの様子。

それに対し武尊は、アウェイであることやまだ試合の立ち上がりということもあり、少し動きが硬い。

しかし、試合が中盤に差しかかると、徐々に武尊が前へ出てくる。いつものベタ足で追い詰めるような感じだ。

皇治もそれに呼応して、圧力を押し返そうと手を出す。お互いの拳が交錯し、クリーンヒットはないものの随所に打ち合いがみられた。

皇治は、武尊の得意な中距離を潰すために、積極的に前へ出ており、武尊にミドルを出させない。ミドルからリズムを作ることが多い武尊は、圧力をかけることに成功はしているが試合のペースは握りきれない感じだった。

ただ、武尊は王者である。ミドルでペースをつかみづらいと感じたのか、すぐに膝蹴りで距離とペースを調節。1ラウンド終盤、一瞬の畳みかけで武尊の右ストレートが皇治の顎を捉えた。

これ以上ない角度でクリーンヒットし、たまらず皇治はダウン。しかし、倒れることはなくスタンディングダウンを取られた。相当な一撃をもらったはずだが、皇治もかなりタフである。試合は続行。

武尊が試合を終わらせにかかるが皇治も隙を見せず、すぐにゴングが鳴った。

武尊vs皇治|2Round

1ラウンド終盤、強烈な一撃でダウンを取られてしまった皇治だが、2ラウンドが始まっても、そのダメージがなかったかのように積極的に攻撃を仕掛けていく。パンチの打ち合いに持ち込み、武尊の得意な距離を作らせない。

しかし、武尊はパンチの技術も一流。皇治は自分のペースを奪われないように奮闘するが、武尊をコントロールすることができない。武尊の攻撃は皇治を削っているように見えるが、皇治の攻撃は武尊を抑えるので精一杯という感じ。

「これは皇治しんどいだろうな……」という風に見えた。試合のペースはそのまま上がっていく。近距離で打ち合う場面があからさまに多くなり、少しずつ武尊のペースに傾いていった。

そもそも、武尊は打ち合いにめっぽう強い。皇治もタフだけど、武尊はそれ以上にタフだ。それでいて攻撃の精度も高いので、こういう削り合いになると皇治は辛い。終盤には壮絶な打ち合いとなり、互いの打撃がクリーンヒットしまくっていたのだけど、両者倒れなかった。

皇治は武尊のパンチを何発ももらっていたけど、踏ん張ってダウンしない。これまで、武尊に挑戦してきた選手は皆、この打ち合いでダウンしてしまい武尊に負けるのだけど、皇治はダウンしなかった。これだけ武尊の打撃をもらってダウンしないのは、相当なタフネスである。

武尊vs皇治|3Round

3ラウンドが始まっても、皇治の気持ちは途切れていなかった。あれだけ武尊に攻め立てられていながら、しっかりとした足取りでリングに立っている。武尊は特にダメージを受けている様子はなく、むしろ調子を上げてきているようだった。

序盤からまたしても打ち合いになる。皇治は気持ちで前に出続けるが、これまでのダメージと武尊との実力差がここで浮き彫りに。打ち合いから武尊が主導権を握り、尋常ではない圧力で皇治を攻め立てる。武尊の重い拳が、皇治の顔面を何度も捉えていた。

皇治はなんとか手を返すものの、武尊の圧力に飲み込まれ、またしてもスタンディングダウン。正直、このラッシュでKOされてもおかしくないくらい攻撃を食らっていたので、スタンディングダウンで済んだことに驚いた。試合が再開されると、武尊はKOするべく皇治ににじり寄った。

皇治はもうフラフラであったが、この武尊の圧力に抵抗。なんと、もう一度、互角の打ち合いを始めた。武尊にあれだけ攻め込まれ、拳をもらっているにもかかわらず、まだ気持が切れていないという。

流石の武尊も打ち疲れをしているようで、皇治の攻撃をすこしもらってしまう。ダメージにまでつながってはいないようだったが、はた目には互角の打ち合いに見えた。2度のダウンを奪われ、3階級制覇の王者である武尊にこれだけ攻められているのに、まだ気持が切れていない皇治がすごいといえるだろう。

ラスト30秒は、むしろ皇治が気持ちで押しているという感じで、武尊にダメージは与えられていないものの、打ち合う姿勢は崩さなかった。両者、打ち合ったまま3ラウンドのゴング。

 

 

武尊vs皇治は、3-0で武尊の判定勝利!

試合の結果は、判定に委ねられた。

結果は、ジャッジ3名とも30ー25で武尊。武尊の判定勝利となった。

皇治のスーパーフェザー級タイトルへの挑戦は、惜しくも判定負けという形で終えた。

感想|皇治の奮闘ぶりがすごかった

この試合は、皇治の気持ちの強さが記憶に残るものだった。試合の内容は武尊の圧勝であり、判定結果から見てもそれは疑いようがない。

皇治の攻撃はヒットしていたものの、ダメージにまで至っていなかったようで、皇治が武尊を追い詰めた場面はなかった。

武尊は2度もダウンを奪っているし、アウェイの中でも試合の流れを完全には皇治に渡さなかった。アウェイの空気を、実力で徐々にひっくり返した感じである。

しかしこの試合の印象は、「武尊が皇治に圧勝した」というよりも、「皇治が武尊を相手に異常な気持ちの強さを見せた」というように残った。それほどまでに皇治の精神力が強かったと言えるだろう。

武尊の攻撃にあれだけ耐えられるなんて、信じられない。めちゃくちゃパンチをもらっていたし、他の選手なら1ラウンドでKOされていただろう。皇治は3ラウンドまで持ち堪え、さらには終始反撃し続けた。

皇治のことを見直した人も、きっと多いはず。現に私がそうだ。試合を観る前と観た後で、皇治という選手を見る目が変わってしまった。年齢的に今後の活動が難しいかもしれないが、もっとK-1を盛り上げられる選手だと思った。

武尊「(那須川天心との試合)必ず実現させる」

大会後のマイクパフォーマンスで武尊は、皇治の精神力を讃え、大阪のファンに感謝の言葉を述べた。

続けて、「団体の問題はいろいろあって、分かっているんです。本当に難しいんですよ。分かっていますよ。中途半端なことは言いたくないから、明言することは避けてきました。でも、僕は実現させたいと思っています。格闘技を背負う覚悟もあります。時期は分かりませんが。そして、実現させるだけでなく勝つつもりです。K-1が最強であることを僕が証明します」と述べた。

名前は出なかったが、これは明らかに那須川天心のことである。武尊がこの発言をするということは、もしかすると実現するのかもしれない。

▼武尊と那須川天心はどちらが強いのか?考察記事

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